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日本行政書士連合会 登録番号14130747 行政書士アークス法務事務所
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今回は、婚約解消の示談書、その他にも指輪の返還、引越し費用などみなさんが婚約を解消するときに確認すべき重要事項を総点検できるよう、わかりやすく徹底解説します。
まずは、今回の婚約解消、婚約破棄の事実を記載しいます。
お二人の間に婚約が成立していたことを確認する文言を記載します。
そして、婚約解消の原因について、浮気・正当な理由のない申出など、婚約解消に至った原因や理由を、書面中で簡単に確認しておきます。
婚約解消の理由を示談書に書いておくことで、後から婚約解消の「原因」についてトラブルになることを防止します。
後から「お互いに責任があった」などと言われないようにするためです。
慰謝料の支払いに関することを規定します。
慰謝料の金額、支払い時期、支払い方法(振込先など)、振込の場合は振込手数料の負担についても定めることが通例です。
慰謝料の支払期日が書かれていない示談書を目にすることがありますが、支払期日は必ず記載します。
具体的に〇年〇月〇日までに全額支払う、示談書日付から〇日以内に支払うというように期日をはっきりさせておきます。
慰謝料の他にも金銭の支払がある場合には、記載しておきます。
例えば、
結婚式場のキャンセル費用として金〇円
引越しに伴う費用として金〇円
というように、一方が他方に対して支払う費用の内訳を、慰謝料の金額と一緒に定めておきます。
これらの細かい費用は書かずに、慰謝料等をすべてひとつにして、「本件の解決金として〇円支払う」とすることもあります。
また、同居中に購入した家具や家電などがある場合には、これらをどちらに帰属させるのか決めなければならないケースもあります。
尚、各種費用の精算については、本ページの下部でくわしく説明しています。
婚約解消後の二人の関係について書いても良いでしょう。
もう二度と相手とは関わりたくないという程に、ふたりの関係が壊れてしまった場合には、今後、互いに会わない、連絡しないという内容を盛り込んで作成します。
相手との関係を完全に断ち、新たなスタートをするのだと決意している場合には、このような条文を示談書に記載しても良いでしょう。
婚約解消後、相手を訪問しないこと、相手の名誉を害する言動をしないこと、相手の私生活や職場での平穏を害する行為を行わないこと、
その他にも相手の不利益となる行為を行わないことを約束してもらいます。
さらに、これまでのふたりの関係や個人情報などの秘密を守る内容を記載することもあります。
SNS等により情報は簡単に拡散してしまうため、婚約の経緯その他、他人に知られたくない情報をみだりに公開されないよう、秘密保持に関する条文も盛り込んでおきます。
示談書の取り交しをもって、今回の婚約解消については解決したことを確認しておきます。
これはお互いに、後から追加な請求などを行うことができないことを念のため確認することを目的としています。
一度解決したと思っていたのに、後から「やっぱり納得できない」と問題を蒸し返されてはいつまでも解決することができないため、和解・解決済みである旨を書面上で確認します。
示談書に書いてあること以外に、お互いがその他の権利や義務などを負っていないことを記載します。
これは示談書では必須の条文といえます。
例えば後から、「あの時期に払っていた生活費は、あげたのではなく貸したつもりなので、返金してほしい」といったような主張をされることを防止するための条文です。
プロポーズにあたって、男性から女性へ、婚約指輪の受け渡しがあった場合、指輪の所有権は、女性側にあります。
合意によって円満に婚約を解消する場合、指輪の所有権はすでに女性へ移転しているため、法律を形式的に当てはめれば、男性から返してほしいと言われても、女性は基本的に返す必要はありません。
ただ、実際には婚約を解消することになり、男性が婚約指輪の返還を求めたとき、女性が指輪を返してしまうというケースも少なくありません。
男性が何も言わなければそのまま、女性は指輪を所有し続けるか、婚約解消後に売却しても良いのですが、
男性から返還を求められた場合には、余計な言い争いを避けるために指輪を返してしまうという選択をすることも多いのでしょう。
婚約を解消したのに、指輪だけ持っているというのは、あまり気持ちのいいものではないでしょうから。
また、男性に不当な婚約破棄があったときには、当然、女性側は受け取った指輪を返還する必要はありません。
逆に女性側が不当に婚約を破棄したときは、一度譲り受けた指輪であっても、男性側に返還する必要があるでしょう。
一度有効に婚約が成立すれば、当事者は「相手と結婚できる、結婚する」という期待を抱きます。
この「結婚できる、結婚する」という期待は法律的にも保護されるべきものであるとされています。
自分の身勝手な行為で、一方的に婚約を破棄することは、相手の法律上保護された立場を裏切る行為であり、責められるべき行為といえます。
よって不当に婚約を破棄した一方は、他方に対して慰謝料を支払う義務が発生します。
不当な婚約破棄とは、正当な理由が存在しない(不当な)婚約破棄のことを意味しています。
もし正当な理由があれば、婚約を破棄しても慰謝料を支払う必要はありません。
正当な理由がなければ慰謝料の支払いが必要です。
ではどんな場合に「正当な理由がある」といえるのか見てみましょう。
婚約破棄の正当な理由とされやすい相手の行為
これらはあくまでも代表的例です。
ここに書かれていない事であっても、婚約相手に責められるべき言動、信頼関係を破壊する重大な行為がある場合には、婚約破棄の正当な理由として認められる可能性があります。
反対に、婚約破棄の正当な理由とは「認められにくいもの」として、以下のような例を紹介します。
正当な理由として認められにくい例
これらは婚約破棄の正当な理由として「認められにくい」例です。
ただし、上記についても個別のケースごと慎重に検討しなければなりません。
単に婚約相手に魅力を感じなくなった、嫌いになったという理由は、正当な理由と認められる可能性は低いと言えます。
しかし、婚約相手の「異常な言動」が急に露見し、嫌いになることもあるはずです。
そのような場合には、相手の異常な言動の内容など、ケースごとの事情によっては、正当な理由「あり」と認められることもあり得るということです。
(常識的に考えて、誰もが「それだったら婚約を解消しても仕方ない」と認めるような理由があれば、正当な理由ありと認めてもらえる可能性があるといえます)
上記の項目に該当する、しない、だけで単純に判断することはできないため、慎重に検討する必要があります。
婚約破棄による慰謝料の相場は(まだ実際には結婚生活が始まっていないため)離婚と比べて、低額です。
おおむね数十万円から多くても200万円程度が相場とされています。
これは裁判で争ったケースで、当事者同士の話し合いで解決する場合には、全体的に低額で決着することが多いです。
実際には100万円前後の慰謝料支払いに、同居解消に伴う引越し代などの実費を負担する内容で合意するケースが多いです。
婚約破棄は、被害者側の精神的ダメージが大きいため、少額では納得できない、相手に高額の慰謝料を払ってもらわなければ気が済まないという人も多いと思います。
しかし、高額な慰謝料を求めると、まとまる話しも、まとまらなくなってしまうかもしれません。
最悪の場合には、話し合いで解決できず物別れに終わってしまうことになりかねません。そうなれば裁判しか選択肢がなくなってしまいます。
裁判になってしまえば、多くの時間と費用・労力を費やすことになりますので、高額な慰謝料にこだわるあまり、話し合いで解決できなくなるという事態は避ける必要があります。
参考までに、慰謝料の増額要因とされている例も紹介しておきます。
そもそも婚約が成立していなければ、婚約破棄に関する問題は起こりませんし、慰謝料も発生しません。
まずはじめに「本当に婚約があったのか?」という点を確認する必要があります。
婚約は、おふたりの間で「結婚するという真摯な合意」があれば、それだけで成立するとされています。
しかし、主観的な側面だけでは、一方は本気だったけれど、他方は本気の婚約では無かったといったことが起こり得ます。
そのため、お互い真摯に結婚の約束をしていたのかどうか、客観的に判断する必要があります。
次のような事項がポイントになってきます。
上記のような事実があった場合には、客観的に婚約の成立が認められやすいといえます。
反対に、上記に該当するような事実がない場合には、婚約の成立が認められにくくなる可能性があります。
婚約指輪を受け取っている、式場の下見に行っているといったような分かりやすいことがない場合は、ケースごとに個別判断が必要になります。
婚約したときの状況、これまでの交際・二人の関係性なども判断に影響します。
例えば、ロマンチックな状況や、ベッドの中などで気分が高揚して「結婚しよう」と、愛の言葉を交わすこともあるかもしれません。
そのように単に雰囲気・気分が盛り上がっただけなのか、、
それとも、これまで結婚を意識したうえで長期間交際した実績があるかなど、総合的に考える必要があります。
相手から「そもそも婚約が成立していない」といった主張をされないように、まずは婚約が成立していたのかについて、確認すると良いでしょう。
婚約が成立していることについて、疑う余地はないという場合、次は慰謝料について検討することになります。
婚約解消の話し合いは、ふたりの関係が冷え切っているためスムーズに進まないことも多くあります。
双方がお互いに「相手が悪い、相手に責任がある」と考えていることもあります。
愛情の冷却を通り越して、相手に対して怒りや憎しみの感情を抱いてしまうことも少なくありません。
そのような二人が、婚約解消に伴う費用の精算について話し合いをすると、どうしても感情的になってしまいます。
感情的になってしまうと、話し合いで決着できず、弁護士の関与が必要になるほど話し合いがこじれてしまうこともあります。
そのような事態になってしまうと、問題を解決するまで多くの時間と労力が必要になり、気持ちを切り替えて新たなスタートを切ることができなくなってしまいます。
話し合いは感情的にならないよう、冷静に行ってください。
迷い悩んだ末に婚約解消を決めたのであれば、婚約解消の話し合い自体にあまり時間をかけない方が良いでしょう。
婚約者へ言いにくいと長い間、真意を伝えないままでいると、その間にも結婚に向けた準備はどんどん進んでいってしまいます。
同時に、相手の結婚への期待も膨らんでいきます。
もし、あなたが婚約の解消を切り出すのあれば、早く話を切り出す必要があります。
そして、話を切り出した後は「論点」を絞って、短期間のうちに話し合いを済ませることを心がけましょう。
話し合いをしている間はとても辛い時間を過ごすことになります。
協議に時間をかけると、だんだんと細かい条件が気になりはじめ、合意に至るまでさらに時間を要するという負のスパイラルに入ってしまうこともあります。
決めなければならないポイントがよくわからないという場合には、当事務所でご提案する示談書案に基づき、話し合いを進めていただくこともできます。
本ページを運営している、行政書士アークス法務事務所は2014年の事務所開業時から、婚約破棄に関する示談書、慰謝料請求などの作成を引き受けており多くの経験・ノウハウを有しています。
婚約解消の場面では、精神的に疲弊してしまい「もうどうてもいい」というような心境になってしまうかもしれません。
ただ、後に憂いを残さないために示談書(和解合意書)を作成して取り交わしておくことをお勧めいたします。
ご相談がある場合には書面作成のご依頼を通じて、お電話やメール交換によるサポートを行うことも可能です。
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