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再婚と養育費の減額

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具体例で個別のケースごとに解説|再婚によって養育費が減額される場合

皆さんの中には、ある日突然、別れた元夫から「再婚することになったので養育費を減額する」という連絡を受けて困っているという方や、逆に自分が再婚すると養育費はもらえなくなってしまうのか?と不安に感じている方も多いと思います。

このページでは、再婚と養育費の減額について、具体的な個別のケースごとに分かりやすく解説します。

 

まず事情の変更による養育費の減額について知っておく

(1)離婚時に想定していなかった状況になったとき

離婚時に養育費の支払いに関する取り決めをした場合、基本的には約束した養育費の金額が、約束した期間支払われ続けることになります。

子が20歳になるまで、22歳になるまで、もしくは大学などに進学したときは卒業するまでの間、毎月〇円を養育費として支払う約束をします。

ただし、養育費の支払期間中に、元夫や元妻に、離婚時には想定していなかった事情が発生したときには、養育費の減額や増額を相手に求めることができます。

これを「事情の変更」による、養育費の減額または増額請求といいます。

事情の変更を理由として養育費の金額増減を請求できる可能性があるケースに、以下のような例があります。

 

事情変更の代表例
  • 会社の倒産による失業
  • 病気、怪我による長期入院
  • 物価や貨幣価値の急激な変動
  • 再婚

たとえば、失業したことによって収入が大幅にダウンしてしまい、離婚時に約束した養育費を支払うことができないなど離婚当初の事情から大きな変化があったときに、事情の変更による養育費の金額変更を求めることができます。

事情の変更による金額変更は、減額だけではありませんので、逆に子の病気や急激な物価変動などで養育費の金額が足りないという場合には、事情の変更による、養育費の増額を要求することもできます。

 

(2)再婚を理由とした養育費の減額

離婚後に元夫婦の一方が再婚した場合にも、事情の変更による養育費の減額が認められる可能性があります。

ただ、単純に再婚したというだけではなく、妻が再婚したときは再婚相手が子どもの養育費をきちんと賄ってくれるという状況が必要になります。

シングルマザーとして子を育てていくことを前提にして、元夫と養育費の金額を取り決めたわけですが、その後別の男性と出会い、再婚し、再婚相手が子どもを扶養してくれる状況になったときは、離婚時に養育費の取り決めをした当時と事情が変化していることになります。

ただ、再婚した男性が連れ子と養子縁組しないなど、再婚男性に養育費を負担する義務が生じないこともありますので、個別のケースごとに検討する必要があります。

以下、具体的な再婚のケースに当てはめて、さらに詳しく説明します。

 

母親(元妻)が再婚した場合

(1)元妻が再婚し、再婚相手が子と養子縁組した

元妻の連れ子と再婚相手が養子縁組した場合、連れ子と再婚相手は、血がつながっていなくても、法律上(戸籍上)は親子関係となります。

養子縁組した場合、子どもの戸籍上の父親は、再婚相手となりますので、再婚相手が子どもを扶養し、養育費を支払う義務を負うことになります。

戸籍上の父親と、実の父親と二人の父親がいわば併存することになります。

そして、新たな父親となった再婚相手が優先して子どもの養育費を負担することになります。

再婚相手は、養子縁組により連れ子と親子関係となり、同居し、新たな家族生活を営むことになりますので、再婚相手が優先して子の養育費を負担することになります。

この時、元夫の養育費はどうなるのでしょうか?

元夫の「実の父親」としての地位はそのまま残りますので、再婚と養子縁組により、自動的に元夫の養育費支払い義務がなくなる訳ではありません。


実の父親は、まず元妻に対して話し合いで養育費の減額交渉を行うことになります。

養育費の減額について、話し合いで元妻が同意すれば、同意した金額へ減額変更するか、もしくは再婚相手に経済力がある場合には、養育費の支払不要と決まることもあるでしょう。

もし、減額の話し合いがまとまらなければ、元夫は、家庭裁判所に養育費減額調停を申立てます。

養育費減額調停では、調停員を間に挟んで、元夫婦が子どもの養育費の減額について話し合うことになります。

再婚相手が優先して子どもの養育費を負担する場合、元夫の養育費は減額となる可能性が高いといえます。

 

(2)元妻の再婚相手が、子と養子縁組しない場合

再婚相手が元妻の連れ子と養子縁組しない場合、再婚相手と子どもとの間に、親子関係は生じません。

親子関係がなければ、基本的に再婚相手は、子どもの養育費を負担する義務はありません。

再婚相手が連れ子と養子縁組しないとすると、子どもの父親は、実の父親のみということになります。

この場合では、実の父親である元夫のみが子どもの養育費を負担することになるため、基本的に養育費の減額は認められないことになります。

しかし、再婚相手と連れ子が養子縁組しない場合、必ず養育費の減額請求が認められないということではありません。

再婚相手と連れ子が養子縁組せず、法律上の親子関係が生じない場合であっても、実質的に、再婚相手が、連れ子の養育費を含めて家族の生活費全般を負担しているという場合があります。

そのような場合には、離婚時に元夫婦が想定していた状況とは異なるため、場合によっては事情の変更を理由とした元夫からの養育費減額請求が認められる可能性もあり得るということになります。

 

父親(元夫)が再婚した場合

(1)元夫と再婚相手との間に子ができた場合、元夫が再婚相手の連れ子を養子縁組した場合

それでは父親側が再婚した場合はどのようなことが起きるのか説明します。

離婚した元夫が、女性と出会い再婚し、再婚相手女性との間に子が生まれた場合や、女性の連れ子と養子縁組をした場合、
元夫には、再婚相手との子どもについて法律上の親子関係が生じることになります。

元夫は、再婚女性との子を、扶養し養育費を支払う義務を負うことになります。

元夫は、離れて暮らす元妻との間の子と、再婚相手との子(または連れ子)の両方に対して養育費を支払う義務を負うことになります。

さらに、再婚相手女性に経済力がない場合は、再婚相手女性も扶養しなければなりません。

元夫が勝手に再婚しておきながら、元妻の子どもの養育費を減額してほしいと請求するのは、少し身勝手にも感じるかもしれませんが、

元夫が、再婚女性との間に子を設けた場合や、連れ子と養子縁組した場合には、元妻との子どもの養育費を減額するよう請求することができます。

これも、離婚時に想定していなかった状況に変化したことによる、事情の変更を理由とした養育費の減額請求となります。

ただ、子どもの養育費というのは、子どもの福祉のため、子どもに十分な経済的援助を行うための制度ですので、再婚相手女性との間の新たな家庭に経済的余裕があり、一方で、元妻との子どもが経済的に困窮しているような場合には、一概に減額が認められると言い切ることはできません。

元夫からの減額請求を受けた妻は、まず上記のとおり事情変更による養育費の減額請求が認められ得ることを理解したうえで、元夫と話し合いをします。

そのうえで、元夫の再婚夫婦の収入の大きさなどから不当な減額要求だと思う場合には、調停の場で、調停員を間に挟んで減額は受け入れられないことを主張することになります。

 

(2)元夫が、単に再婚しただけの場合や、再婚相手の連れ子と養子縁組しない場合

単に再婚しただけの場合や、再婚相手の連れ子と養子縁組しない場合は、元夫が養育費を負担する子の人数は変わりません。

基本的に離れて暮らす元妻との子の養育費減額は認められないことになります。

それでも再婚した女性に収入がない場合には、再婚相手を扶養する必要があるため、離婚時には想定していなかった再婚相手という要扶養者が一人増えたということもできます。

よって、絶対に減額請求が認められないとまで言い切ることはできません。

養育費を支払い続けることが困難な何らかの事情がある場合には、減額求めること自体は可能ですので、後は元妻との話し合い次第となります。

 

減額、増額の話し合い

(1)金額変更の提案自体はいつでも可能

養育費の支払が厳しくなったとき、または受取っている養育費が足りないとき、元夫や妻に対して、養育費の減額や増額を願い出ること自体は制限されていません。

相手に話し合いを求めることはできます。

ただ、相手の一方的な都合で、養育費を安易に増減されてしまってはたまらないため、当事者同士の話し合いでは、折り合いがつかないことが多いと思います。

話し合いで解決できないときは、家庭裁判所へ養育費変更の調停を申立てることになります。

再婚に関する養育費の金額変更について、調停で減額が認められ易いケース、認められにくいケースが、上記で説明したとおりということになります。

 

(2)一方的な通知で金額を変更することはできない

仮に元妻が経済力のある再婚相手と結婚し、再婚相手男性が元夫婦の連れ子と養子縁組したからといって、それだけで自動的に元夫の義務が変更されるわけではありません。

養育費は、元夫婦双方の合意がなければ金額を変更することはできないため、元夫婦のいずれか一方が再婚したとしても、一方的な通知のみで勝手に支払いを止めたり、減額して支払うことはできません。

なお、調停の場で金額変更が決まった場合は、調停調書という裁判所が発行する書面で、養育費の金額変更を証することができます。

当事者同士の話し合いで金額変更の合意に至ったときは、養育費金額変更の合意書を取り交わして、金額の変更を証することになります。

 

(3)再婚したことを知らせなかった場合

自身が再婚したことを、元夫や元妻に通知しなければならない義務というものはありません。

基本的に再婚したことを知らせなかったことで、多く養育費を受け取っていたとして、後から養育費を返還しなければならないというようなこともありません。

ただ、離婚時に取り交わした離婚協議書(公正証書を含む)において、再婚したときには、相手方へ通知するという約束をしていたときには、元配偶者に対して、再婚した旨を通知する義務を負うことになりますので、その点は注意してください。

再婚したことによって、自動的に養育費が減額されるということはありません。

あくまでも、元夫婦が養育費の減額に合意して初めて養育費の金額が変更されることになります。

 

離婚協議書

離婚時に金銭に関する大事な取り決めを口約束ですることは禁物!

離婚時には慰謝料・財産分与・養育費など金銭に関する大切な取り決めをする必要があります。
請求できる権利についてよく調べて、焦らずに少しでも有利に離婚手続きをすすめて下さい。

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