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学校に通学するお子さんのいるご夫婦が離婚する場合、妻としては、なによりも自宅の権利を確保したいとお考えではないでしょうか。
今回は、離婚時の財産分与で自宅を譲り受けるための方法について説明します。
自分一人であれば家を手放しても構わない。しかし、子供のために自宅は確保したい。
どうしても自宅不動産にこだわるのは、子供の生活を変えたくないからですよね。
両親が離婚することになれば、子供に少なからず精神的に負担をかけることになってしまいます。
さらに、引越しや転校をすることは子供の負担が大き過ぎる。
それらを避けたいというのは、母親なら当然に考えることだと思います。
家を出て、賃貸を借りるとしても学校の範囲内で借りたい。
とにかく離婚するにしても「自宅だけは確保したい」と、お子さんがいる場合には皆さん同じように考えます。
決してわがままを言っているわけではないと思います。
さて、どうやって自宅を確保するか、、、
この方法を一番先に考えると思います。
いままで通りに夫がローンの返済を続けて、妻と子が自宅に住み続ける。
これができれば妻にとってはベストの方法です。
少なからずこのような条件で離婚されるご夫婦もいらっしゃいます。
ただ、妻と子が自宅に住み続け、夫がローンの返済を続けなければならないというルールはありません。
夫が任意に同意して、ローンの返済を続けることを任意に承諾しなければなりません。
「子供のために、これまでどおり自宅に住ませてあげよう」という夫の思いやりの気持ちに頼るしかありません。
夫にこのような思いやりの気持ちが期待できない場合には、離婚後も夫に住宅ローンの返済を続けてもらうことは難しいかもしれません。
これは妻が夫に対して、財産分与の夫の取り分に相当する金銭を払って、自宅の権利をすべて譲り受けるという方法です。
自宅の価値2000万円、ローン残1000万円の場合には、2000万から1000万円を差し引いた残りの1000万円(の価値)を分割することになります。
夫と妻で半分に分ける場合には、互いに500万円ずつの権利を持っていることになります。
夫の権利に相当する500万円妻がを支払って、自宅の権利を丸ごと妻が夫から譲り受けるという方法です。
この方法ができればスッキリするのですが、500万円もの大金を夫に支払えるというケースは少ないです。
また、売却して精算するのであれば問題ないのですが、自宅に住み続ける場合にはローン残債務の返済をどうするのかという問題も生じます。
離婚原因が、不貞行為、暴力、過度のモラハラという場合には、離婚に伴って慰謝料の支払が発生することがあります。
本来であれば受け取ることのできる慰謝料を請求しない(放棄する)代わりに、その相殺として、夫に財産分与の取り分を放棄してもらい、自宅を譲り受けるという方法です。
しかし、慰謝料の金額だけでは、自宅の権利を譲り受けるために支払う金額には足りない場合や、夫と慰謝料の金額について合意することが難しいといった問題が生じることが考えられます。
この場合も、妻と子が自宅に住み続ける場合にはローン残債務の返済をどうするのかという問題が生じます。
妻が、住宅ローンの残債務の返済を丸ごと引き受ける代わりに、夫には自宅から出てもらい、妻と子が自宅に住み続けるという方法です。
この方法では、妻に住宅ローンを組むだけの安定した収入があるのかという点と、銀行がローンの切り替えに同意するかという点が問題になり得ます。
妻が正社員として働き続けていて安定した収入があるという場合には、ローンを組むことができる可能性があります。
しかし、離婚に伴って復職し、正社員として働くという場合には、勤続年数が足りずにローンを組めない可能性が高いです。
住宅ローンを組める場合には、他行でローンを組んで、現在夫が借りている銀行に一括で返済する。
もしくは、現在夫が借りている銀行に相談して、妻名義でローンを組みなおしてもらうなどの方法が考えられます。
住宅ローンを組んで借り換えることが難しい場合。
夫が毎月支払っている住宅ローンの返済を、妻が肩代わりして「夫に」支払うという方法です。
賃貸を借りた場合の毎月の家賃と、毎月のローン返済金額を比べると、支払う金額はほとんど変わらないというケースが多いです。
家賃を支払う代わりに、毎月のローン返済分に相当する金額を夫に支払って自宅に住み続けたいと希望する方もいらっしゃいます。
この方法は、離婚後も夫との関係性が続くので、おふたりの信頼関係が多少は残っていることが必要です。
毎月のローン返済分を夫に支払っているのに、夫が突然自宅を売却してしまうといったようなことがあると大きなトラブルになってしまいます。
また、夫が家を出て、離婚後の妻が家に残るという場合には、夫が妻に「家を貸している」ことと同じ扱いをされる可能性があります。
これは銀行とのローン規約に抵触する可能性あり、銀行に発覚した場合には、ペナルティを受ける可能性がある点に不安が残ります。
しかし、実際にはこのやり方で、妻と子が自宅で暮らし続けているケースも少なくないように思います。
子供がある程度大きくなるまで期間を区切って、自宅に住まわせてもらうという方法もあります。
子供に引越し・転校はさせたくない。
たとえば、子供が高校や大学を卒業するまでの間、ローン返済分のすべて、又は一部を夫に支払って、妻と子が自宅に住まわせてもらう。
高校や大学を卒業した後は、自宅の権利を夫に譲り渡して、妻と子は自宅を出るというやり方です。
妻と子が自宅を出た後の自宅の権利はすべて夫のものにするという約束をした上で、それまでの間、妻はローンの返済などの負担をせずに住み続けるという場合もあります。
夫は、妻と子が自宅を出るまでの間、ローンの返済を続ける代わりに、妻と子が自宅を出たあとは、自宅を売却することを含めて自由に処分することができます。
夫に金銭的なメリットが生じるケースが多いので、この方法であれば夫も同意する可能性があります。
夫に自宅をすべて譲り渡す義務や、離婚後も妻と子のためにローンを払い続ける義務はありません。
慰謝料や養育費のように、夫に法的請求として要求できれば良いのですが、そうではないから悩ましいのです。
なぜ自宅に住み続ける必要があるのか理由をきちんと伝えて、夫を説得する必要があります。
親族等に協力してもらい話し合いの場を設けて、妻と子が自宅に住み続けられるように説得することもあります。
自宅不動産はおふたりが結婚後に築いた資産です。財産分与として2分の1の権利を主張することができます。
自宅不動産そのものを真っ二つに分けることはできません。
財産分与として、自宅の価値の半分を分与してもらう権利をもっていることになります。
自宅不動産について2分の1の所有権を主張できます。または、その価値の半分を主張できます。
共有持分として所有権を主張することもできます。
自宅の価値が2,000万円の場合には、半分の1,000万円を受け取って(または、夫に支払って)精算することもあります。
住宅ローンが残っている場合、自宅の価値から住宅ローン分をマイナスしなければなりません。
仮に自宅の価値が2,000万円の場合。
住宅ローンの残金がまだ1,200万円あるという場合には、2,000-1,200=800万円が現在の自宅の価値と考えます。
現在の自宅の価値800万円を財産分与で2分の1ずつ分けるので、現金で精算する場合には400万円を請求できます。
自宅の価値が2000万円で、住宅ローンの残債が2,200万円残っている場合があります。
住宅ローン分の差額分200万円がマイナスです。
この場合には、マイナス200万円をおふたりで半分ずつ負担しなければなりません。
ただ、マイナスになる場合の実際の財産分与では、自宅を売却してマイナス分を二人で負担し合うという結論になるケースは少ないです。
家を売却して手放し、さらにマイナス分を貯金から支払うよりも、そのまま自宅は残しておいた方がメリットが大きいからです。
話し合いの結果、夫婦の一方がそのまま自宅で暮らし続けることが多いです。
自宅不動産の財産分与では、現在の自宅の価値がいくらであるのかが重要なポイントになります。
大まかな金額でも構わないので、現在の自宅の価値がいくらでるのか、査定を受けるなどして確認する必要があります。
不動産の査定を受ける場合、基本的には費用はかかりませんので、一度自宅の価値を査定してもらうと良いでしょう。
妻が自宅を引き受けるために住宅ローンを組む場合には、ひとつの職場での勤続年数3年以上が必要です。
離婚の前後であわてて復職しても勤続年数が足りずにローンが組めないという場合が多いです。
結婚前に夫が自宅を購入していた場合でも、結婚後、夫婦が協力して住宅ローンの返済をしていたのであれば、財産分与の対象になります。
専業主婦であっても、内助の功が認められるので、協力して返済していたことになります。
結婚する2年前に夫が住宅を購入し、2年間ひとりでローンの返済を行い、その後、結婚して20年間夫婦で協力して住宅ローンを返済していた場合。
夫がひとりで返済していた2年分に相当する部分は、財産分与の対象外となります。
住宅ローンが残っている場合、自宅不動産の所有権の名義を変更するためには、銀行の同意が必要になります。
銀行の同意なく、勝手に自宅の名義を変えることはできません。
これをしてしまうと残債務の一括返済を求められるなどのペナルティを受ける可能性があります。
そして、通常、銀行は住宅ローンが完済されない限り、自宅の名義変更に同意しません。
そのため、妻が夫から自宅の権利を譲り受ける場合でも、名義変更の登記をするのは、基本的に住宅ローンの完済後になります。
離婚時には、慰謝料、親権・養育費、財産分与などの条件を本人同士で話し合って決めなければなりません。白紙の状態で話し合うよりも協議を始める前の段階から専門家が書面作成を通じて関与することで、より円滑に離婚協議を進めることができます。当事務所では、これまでに多くの離婚給付公正証書作成した実績を有していますので、お困りの方はぜひ一度ご相談ください。
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