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単独親権を選んだ場合には、離婚後に親権を持たない一方と、子どもとの面会に関する約束も重要です。
また、共同親権を選んだ場合であっても、どちらが子どもと暮らすのか、監護分担や、具体的にいつ子どもと会うのかという取り決めをしておく必要があります。
きちんと話し合わないと、子どもに会わせてもらえない、父と母の約束に違反して勝手に子供を宿泊させてしまうといった親子の交流に関する問題が生じる可能性があります。
トラブルの中には、子の連れ去りなど大きなトラブルに発展するケースもあります。
今回は、離婚後の親子交流について説明します。
離婚後において、離れて暮らす父または母と、子どもが会うこと、他にも電話、メール、LINEなどで交流することを、親子交流といいます。
基本的には、離婚時に父母の話し合いによって、子どもとの交流に関するルールを決める必要があります。
話し合いによって親子交流の頻度や、場所、時間など大まかなルールを決めます。
このときに、親の都合だけで(子供の利益を考慮せずに)親子交流のルールを決めてはいけません。
親子交流は、親の権利というよりも、
「子の福祉と健全な育成のために、親との面会が必要である」と、子どもの側に立って考える必要があります。
幼い子が、突然両親の一方と離れて暮らすことになれば、子どもの心が不安定になります。
子どもにできるだけ精神的な負担を与えないよう、離れて暮らす一方の親と定期的に会うことが、子の健全な成長のために必要であるという考え方があります。
不倫によって離婚に至るケースでは、被害者側が「二度と子どもに会わせない」と憤慨することもあります。
しかし、子の情緒安定のためにそれが本当に正しいことなのかもう一度考える必要があるかもしれません。
子ども本人の利益と福祉が最も優先されます。
もし、父母の話し合いでは合意に至ることができないという場合には、調停など家庭裁判所の関与により、裁判所に親子交流のルールを決めてもらうこともできます。
尚、当たり前のことですが、虐待などの特別な事情がある場合には、子どもとの親子交流は制限されます。
令和8年4月1日から新たに、家庭裁判所が調停や審判などの一環として、試験的に、親子交流を促す制度が始まります。
家庭裁判所が、子どもの利益を優先的に考慮したうえで、親子交流の施行を促し、その親子交流の結果を、当事者から聞き取るなどして、
今後の適切な親子交流の実施の調整をすることができるようになります。
実際に親子交流を行ってみて、その時の本人たちの気持ちや態度が大切であり、かつその結果を、調停・審判において参考にする必要性があるということからはじまった制度であると考えられます。
父母の感情が対立しているケースでは、親子交流の条件が、とても細かいものになってしまうことがあります。
例えば、「親子交渉は、〇時から〇時の間、場所は~に限り、必ず~をして、~はしてはならない」といったような、細かい面会交流の条件になることがあります。
しかし本来、親子条件はできるだけ包括的に柔軟に対応できる条件になっていることが、子にとって望ましいとされています。
子の福祉のための交流にもかかわらず、父母の対立が原因で、会う時間や条件を、ガチガチに固定してしまうことは、「子の健全な育成のため」という本来の目的に沿っていません。
子が面会により楽しい時間を過ごしているにもかかわらず、父母が取り決めた、制限時間が経過してしまったので、無理やり引き離すといったようなことは、子にとって決して良い影響を与えないでしょう。
回数についても、週に〇回、月に〇回と完全に固定したものではなく、「月〇回程度」といったように、ある程度、余裕を持たせて柔軟に対応できるように決めることが望ましいとされています。
さらに子の年齢、成長、本人の意思に合わせて変化できる、一律ではなく柔軟に対応する必要もあります。
後で言い争いにならないように、きっちりと条件を固定しておきたいという希望はよく理解できますが、その一方で、柔軟に対応できるようにする必要もあります。
一般的には「月に〇回程度基準として面会交流を行う」という程度の緩い合意をすることになります。
面会を実施する日時、場所、時間等はその都度、協議により決定することになります。
その方が後になってから柔軟に対応できるからです。
その他にも、面会時の送り迎えのルールを決めることもあります。以下では、特徴的な面会交流の取り決めをいくつか紹介します。
これまでの単独親権の場合、親子交流の定めは、子どもと親権を持たない一方の親が、「月に〇回程度基準として面会交流を行う」という程度の取り決めをすることが通常でした。
しかし、令和8年4月1日以降は共同親権のルールがスタートします。
共同親権の場合には、離婚後も、日常的に子どもを監護をしない一方と子どもとのかかわり、結びつきが、単独親権の場合と比べて、強くなることが考えられます。
そのため、今後はたとえば、平日は母親と一緒に暮らして母親が監護し、週末は親子交流を兼ねて、父親と一緒に過ごすといった形の取り決めや、
子ども送迎などの細かい子どもの監護や、親子交流の取り決めをするケースが増えてくることが予想できます。
これまでは、父親と母親以外の者との面会交流のルールはありませんでした。
ただ、たとえば、おじいちゃんやおばあちゃんとの関係・結びつきが、父親や母親と同じくらい、または、それ以上に強いという場合もあります。
そのため、令和8年4月1日の改正以降は、子どもの利益のために、祖父母など父母以外の親族との交流を定めることもできるようになりました。
父母の協議によって決めることもできますし、調停・審判などを通じて家庭裁判所が促す、または定めることができるようになります。
親子交流に関する考え方には、まったく正反対の二つの考え方があります。
一つは、
①離婚した後も(監護権のない)普段会うことのできない父母と会った方が、子の成長に良い結果をもたらすという考え方です。
もう一つは、反対に、
②離婚した後にも、普段会うことのない父母と会うことは、継続的な愛情を受けることなく断片的な接触を持つことになり、かえって子の健全な成長に悪影響を与える可能性があるというものです。
まだ心のバランスが取れていない、未成年の子と、別れた父母との交流は、一概にどちらの方が良いと決めつけることのできない、難しい問題です。
父母は、子どもの気持ちを一番に考えて、健全な成長のため協力しなければなりません。
面会の時間や頻度などをあまり厳格にせず、「もう少しだけ一緒にいたい、もう帰りたい」という子の気持ちを冷静に受け止めて対応する必要があります。
また、子が情緒不安定になっている場合には、親子交流を控えるといった柔軟な対応も必要になります。
さらに、相手の悪口を子どもに言わないということも、「子どもの為に」必要な配慮のひとつではないかと考えます。
離婚協議の際に、子どもの親権について激しく争ったという場合には、
実際に親子交流を行う直前になって「子を連れていかれしまうのではないか」、「ちゃんと帰してもらえるのか」などと、面会について不安になることがあります。
このような連れ去りに対する不安を理由として、離婚時に取り交わした親子交流の約束が守られず、子どもに会わせてもらえないという事態が起きることがあります。
しかし、何か特別な事情がない限り、基本的には離婚協議で合意した条件どおりに親子交流を実施すべきです。
また、合理的な理由なく子どもを会わせないという行為は、損害賠償請求の原因にもなりかねないため注意が必要です。
たとえば、婚姻中に元夫から子どもへの暴力行為があった場合、元夫と子どもとの親子交流は制限されます。
元夫が、子どもとの面会をしつこく求めてくるような場合には、「子どもとの面会を禁止すること」を命じる審判を家庭裁判所に申し立てることもできます。
また、「元夫がつきまとったり、身辺を徘徊することを禁止する命令(接近禁止命令)」を、裁判所に申し立てるという方法もあります。
もし、元夫の暴力の対象が子どもではなく、元妻に対する暴力行為で離婚に至った場合には、事情が少し異なります。
元夫から子に対して暴力行為がなかった訳ですから、元夫と子どもの面会交流を制限する理由はないという考え方が一つあります。
しかし、暴力行為を目の当たりにした子どもが、父親に恐怖を感じるなど、子どもの情緒安定に悪影響を及ぼす可能性が十分考えられます。
そのため、子どもが父親と会うことを拒んでいる場合など、子どもの精神衛生に悪影響がある場合には、父親との面会を制限すべきと言えるでしょう。
離婚時には、慰謝料、親権・養育費、財産分与などの条件を本人同士で話し合って決めなければなりません。白紙の状態で話し合うよりも協議を始める前の段階から専門家が書面作成を通じて関与することで、より円滑に離婚協議を進めることができます。当事務所では、これまでに多くの離婚給付公正証書作成した実績を有していますので、お困りの方はぜひ一度ご相談ください。
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