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離婚届を提出して法律上(戸籍上)の夫婦関係を解消した上で、内縁・事実婚として今までと同じように夫婦関係を続ける「ペーパー離婚」と「事実婚」という手続きを選択する夫婦がいます。
本記事では、ペーパー離婚と事実婚に焦点を当て、法律上の観点からその特徴やメリット・デメリット、実際の手続きについて解説します。
ペーパー離婚とは、離婚届を提出して「形式的に」離婚の手続きを行い戸籍上の婚姻関係を解消することをいいます。
ペーパー離婚は、通常の離婚と異なり、離婚後もこれまでと同じように夫婦生活を続けるという点に大きな特色があります。
また、夫婦や家族の実態はこれまでと変わらなくても戸籍上の離婚は有効に成立するので、離婚後は夫婦双方が別の姓を名乗ることになります。
そのため、夫婦別姓を目的としてペーパー離婚を選択するケースが多いです。
内縁・事実婚は、戸籍上の手続き(婚姻届の提出)をせずに事実上の夫婦の実態によって夫婦関係が認められる関係のことをいいます。
事実婚の場合は、同じ夫婦関係であっても法律婚の夫婦よりも個人が尊重され、より自由な形でパートナーとの関係を維持できる点が特徴とされています。
ペーパー離婚をした後の夫婦は、これまでどおりの夫婦関係を維持することになるので内縁・事実婚の夫婦として生活を続けることとなります。
そのため、ペーパー離婚の手続きと同時に、事実婚夫婦としての関係を築くこととなり、ペーパー離婚と内縁・事実婚として夫婦生活を続ける約束はある意味でセットです。
しかし、内縁・事実婚では法律婚では認められていた配偶者としての権利が一部認められない場合があるなど、法律婚夫婦と比べて夫婦の法的な立場が不安定になるというデメリットがあります。
法律婚を解消し内縁・事実婚に移行する理由として、婚姻・入籍したものの自らの苗字が変わったことに対する違和感が拭えないという場合や、
仕事上の不都合から旧姓に戻したいというケースが多くあります。
法律婚では、夫婦同氏の原則が適用されるため、入籍時に例外なく夫か妻のいずれか一方のみの苗字を選択することとなります。
苗字が変ったことでこれまでの人格も変わってしまったような違和感を覚えるという人もいます。
そのため、旧姓に戻すことを目的としてペーパー離婚を選択するというお話を聞くことが多いです。
また、法律婚という夫婦関係にプレッシャーを感じるので、心身の負担を軽減するために、一度離婚して事実婚パートナーとして夫婦関係を続けていきたいというケースもあります。
法律や戸籍に縛られている、法律婚では夫や妻としての責任を果たさなければならないという心理的なプレッシャーを感じるので、内縁・事実婚として夫婦関係を続けていきたいという話を聞くことがあります。
このようにペーパー離婚を選択する夫婦の事情は実に様々であると言えます。
ペーパー離婚と事実婚に関する業務を扱う中で、夫婦の一方のみが内縁・事実婚に移行することを強く希望し、他方は仕方なくそれを受け入れているというケースが散見されます。
夫婦の実態はこれまでと変わらないため、夫婦や家族の実生活に影響はほとんどないと言えますが、内縁・事実婚に移行した場合には、法律上の夫婦の立場・関係には変化が生じます。
そのため、実際にペーパー離婚する際には、夫婦間での十分な話し合いと、内縁・事実婚に移行した際のメリット・デメリットの理解が不可欠であると言えます。
これを疎かにしたまま安易に離婚してしまうと、ペーパー離婚をした後に事実婚として期待したとおりの夫婦生活を維持することができなくなってしまう不安があります。
夫婦間に未成年の子供がいる場合には、夫婦の一方と子供の戸籍上の氏(苗字)が異なるなど、子供にも影響が及ぶため影響を最小限に抑えること、
または家族の生活実態はこれまでと何も変わらないということを十分に説明するなどの子供への配慮が必要になるでしょう。
また、一般的には両親などの親族の理解を得ることが難しい場合があるため、親族への十分な説明も不可欠であると言えます。
しかし、両親に理解してもらうことが期待できない、又は余計な心配をさせたくないという理由から、(夫婦の実態は変わらないので)親族には話さないまま密かに離婚の手続きだけ進めてしまうという夫婦もいます。
ペーパー離婚を選択する理由がどのようなものであったとしても、これまでと同じ夫婦関係、家族関係を維持したいという点はどの夫婦にも共通しています。
もし、夫婦関係も解消するのであれば、それはペーパー離婚ではなく、通常の離婚と何も違いはありません。
離婚届を提出した後も、事実婚・内縁関係として今まで通りの夫婦生活を続けるので、紙の届出を提出するだけの「ペーパー離婚」と呼ばれています。
しかし、戸籍上の離婚手続きは通常通り行うことになるため、夫婦間に未成年の子供がいる場合には、離婚に伴って親権の帰属を夫か妻の一方のみに決める必要があります。
また、パートナーにもしものことがあった際に遺言書を作成していないと遺産を相続できないなど、ペーパー離婚がもたらす法的な影響について十分な理解が必要になります。
ペーパー離婚から内縁・事実婚への移行は誰もが多少の不安を感じるはずです。
何か予期しない不都合が生じたらどうしよう?
しかし、もし事実婚に不具合を感じた場合でも、二人の合意さえあれば再び入籍していつでも法律婚に戻ることができます。
事実婚を解消して、婚姻届を提出するだけです。
また、事実婚に関する契約(事実婚契約)をする夫婦の多くは、子供との関係性など事実婚を続けることに不都合があれば、いつでも協議の上で法律婚に戻る旨の約束(契約)をするケースが多いです。
夫婦別姓を目的とする場合や、法律婚に心理的なプレッシャーを感じるので事実婚に移行するといった目的のため、形式的に戸籍上の離婚をすること(ペーパー離婚すること)は、法律上何ら問題ないとされています。
その一方で、生活保護を受給するため、財産を隠すためといった不正な目的でペーパー離婚をすると犯罪行為に該当する可能性があります。
法律婚の夫婦と事実婚・内縁夫婦を比較すると、法的な位置付け(取扱い)に異なる点があります。
法律婚と事実婚の違いの代表例として、法律婚の場合は配偶者の相続権がある一方で、事実婚の場合には、遺言書などを作成しない限り、パートナーの遺産を相続できないというものがあります。
この不具合については、事実婚として夫婦生活をはじめる際に、遺産をパートナーに譲り渡す旨の遺言書を作成することで、法律婚の場合と同じように遺産を譲り受けることができるので、あまり神経質にならなくても良いと思います。
しかし、遺言書等できちんと手当てをしておかないとパートナーの遺産を譲り受けることができなくなるので、放置せずに、タイミングは任意で良いのでいつか遺言書の作成が必要になります。
ペーパー離婚する際に夫婦の一方のみを未成年の子の親権者として指定する必要があります。
そして、事実婚として夫婦は別姓を名乗ることになりますので、夫婦の一方と子供の氏が異なるという状況になることが避けられません。
これをどう捉えるのかは夫婦次第と言えますが、後から子供と苗字が異なることが受け入れられないなどと後悔しないように、ペーパー離婚する際には、子供の親権と氏について夫婦で十分な話し合いが必要になることは間違いないでしょう。
相続に関することと、子供の親権・氏の取扱いが法律婚と内縁・事実婚の相違点の代表と言えますが、その他にも配偶者控除などの税金のメリットを受けることができなくなる、住民票の記載が異なるといった違いも生じます。
法律婚夫婦と内縁・事実婚の違いについては、以下のリンクページで相違点の一覧リストを掲載した上で、くわしく説明しているので参照してください。
まずは離婚に伴って離婚届を役所に提出します。
その後は、事実婚夫婦としてこれまで通りの夫婦生活を続けるだけで、本来、他の手続きは不要です。
しかし、事実婚夫婦として生活を続けていくのに、何も手当をしないと法的立場が不安定になり不具合が生じる可能性があるため、
一般的には、離婚届の提出と同日に事実婚契約書(または事実婚公正証書)で夫婦間に法律婚と同様の権利義務関係が生じるように契約することや、遺言書を作成して、パートナーの遺産を譲り受けられるようにするという手続きをとります。
法律婚と同様の権利義務関係を生じさせるために、事実婚契約書(または事実婚公正証書)を作成します。
例えば、親権者となった夫婦の一方が、他方へ子供への親権を行使する権限を委任する、婚姻費用(生活費)の負担について規定する、夫婦で財産を共有する、医療行為への同意を委任するといった内容の契約を交わして、
二人の間に契約によって法律婚の夫婦と同じ権利義務関係が生じるようにします。
相続については、遺言書でパートナーに遺産を譲り渡すことを定めて、万一のときに遺産を相続できないという問題をクリアしておく必要があります。
遺言書は、法定の形式に沿って手書きで作成する自筆証書遺言書で作成しても良いですし、公正証書として公正証書遺言書を作成してもどちらでも構いません。
どちらの遺言書であっても、パートナーの遺産を譲り受けることができます。
専門家に作成を依頼した場合には、公正証書遺言の方が費用的には高額となりますので、シンプルにパートナーの遺産を譲り受けるという条件の遺言であれば、自筆証書遺言書の作成であっても問題と考えています。
離婚によって旧姓に戻った一方は、社会保険、運転免許証などの身分証明書、銀行などの金融機関で名義の変更手続きをする必要があります。
そのため、職場の人事担当部署にも報告する必要があるでしょう。また、子供の氏は離婚時に名乗っていた氏から変更はありません。
もし、離婚に伴って子供の氏を変更する場合には、家庭裁判所に氏の変更の申立てをすることとなります。
通常の離婚では、離婚時において夫婦の共有財産を分割する財産分与をします。
財産分与とは簡単に言えば、結婚後に二人で協力して築いた財産を離婚にともなって半分に分ける手続きです。
そして、財産分与は離婚時から2年以内に行う必要があります。
そのため、もし財産分与の対象になる財産(預貯金や不動産など)がある場合には、ペーパー離婚をしてもこれまでどおり夫婦で財産を共有することに合意している旨を公正証書等に記載すると良いでしょう。
ペーパー離婚と内縁・事実婚は、新しい夫婦関係のひとつの形態と言えますがその特徴やメリット・デメリットを理解した上で、夫婦で十分に話し合いできるだけ不安を無くしたうえで実行に移すことが重要です。
事実婚のメリット・デメリットは、当サイトを含むインターネット上の情報で十分に集めることができるはずです。
法的な関係性と、現実の夫婦の事情をバランス良く考慮して、公正証書や遺言書を利用するなどして、将来的な安定性も確保するようにしてください。
※イメージ
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事実婚・内縁関係に関する公正証書の作成は、インターネット上でテンプレートのようなものが掲載されていますが、実際にはそのままの内容で公正証書を作成することはできないことの方が多いです。当事務所では、これまでに多くの事実婚契約公正証書作成した実績を有していますので、お困りの方はぜひ一度ご相談ください。
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