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公正証書とは、
公証人が「公正証書を作ってほしい」という嘱託人からの依頼に応じて、作成する公文書です。
公正証書の内容そのものは、一般的な契約書と同じと考えていただいて大丈夫です。
内容は一般的な契約書と大きな違いはありません。
ただし、信頼できる立場の公証人が公文書として作成しますので、一般的な契約書よりも強い法的効力を持ちます。
一般的な契約書は、たとえば弁護士や行政書士、会社の法務社員、または本人が自分たちでつくることができます。
そのため、一般的な契約書は「私文書」といいます。
その一方で、公正証書は、公証人がつくる「公文書」です。
公文書たる公正証書は、私文書の契約書よりも、より強い法的効力をもちます。
いえいえ、ダメということはありません。
逆に、どちらかと言えば、通常の契約書だけで十分なケースの方が多いです。
「世の中の契約書がすべて公正証書として作成されているの?」と聞かれれば、もちろん答えはNOです。
ほとんどの場合が契約書の作成のみで完了しています。
公正証書まで作成するケースは、ごく稀です。
どうしても契約書だけでは不安、分割金の支払いが長期にわたる、不払いになる可能性が高い
もっと強い法的効力の書面が必要といった理由から、例外的に、契約書を、公正証書として作成するというイメージです。
私文書ではなく、公正証書の作成が推奨されるのは、主に「将来にわたって金銭の支払いが続く場合」や「支払いが滞ったときの不安が大きい場合」です。
たとえば、不貞行為の慰謝料を、毎月分割で支払う約束をする場合には、公正証書にしておくメリットがあります。
分割払いは、最初の数か月は支払われても、途中で支払いが止まってしまうリスクがあります。
そのため、強制執行認諾文言付きの公正証書を作成しておけば、支払いが滞ったときに、あらためて裁判をしなくても、給料や預金などの差押えを検討できる可能性があります。
また、離婚に伴う養育費、慰謝料、財産分与など、長期間にわたる支払いを約束する場合にも、公正証書の作成が推奨されます。
特に、養育費のように子どもの生活に直結する支払い、財産分与の分割払い、不倫相手からの慰謝料の分割払いなどは、後日の不払いに備えて、公正証書にしておくことが有効です。
公正証書の作成は、全国各地にある「公証役場」で作成してもらいます。
人口の多い都市部には、多くの役場が配置されていますが、
人口少ない地方では、公証役場が少なく、場合によってはかなり遠方の公証役場まで出向かなければならないこともあります。
公証役場の一覧は、法務省のホームページ「指定公証人一覧」で確認できますので、お近くに公証役場があるかチェックしてみてください。
基本的には、お住まいの地域の最寄りの公証役場に依頼することになります。
ただ、遠方の公証役場を利用できないということではありません。
そのため、一時的にご実家に戻っている場合や、単身赴任先など、自身の都合に合わせて、一番利用しやすい公証役場に依頼することができます。
さらに、令和7年10月から公正証書が電子化されたことに伴い、公証人から認められた場合には、リモート会議の方法で公正証書を作ることができる場合もあります。
公正証書の作成を希望する本人は、まずは公証人との相談日時の予約をします。
メールなどで問い合わせることもできますが、もしご自身の力で公正証書を作ってみようと考えるのであれば、
公証役場を訪問して、公証人と面談のうえで直接内容について相談・打ち合わせが必要になる可能性が高いです。
この時に、公証人に契約内容の希望を伝えるのですが、契約書の案文を持ち込むか、あらかじめ取り決めた契約内容のメモを持参して相談することになるでしょう。
公証人の助言を受けながら、契約内容を確定し、無効な内容や取り消すことのできる条件などは除いて、公正証書の中身を決めることになります。
このときに、公証人は中立の立場なので積極的に「〇〇の内容にした方が良い」といった助言はしてくれません。
そのため、契約内容や本人たちの意思が整理されていないと、円滑に公正証書を作成することができず、何度も公証役場を訪問したり、相談する必要があります。
また、公証役場は基本的に混雑していて、公証人のスケジュールも埋まっていることが多いため、ゆっくり相談できるというイメージではないことが通常です。
中には、とても親身に相談に乗っていくれる公証人の方もおられるようですが、基本的には、ゆっくり相談することは難しいイメージです。
現在、公正証書の作成手続きはデジタル化されており、公正証書は原則として、すべて電子データで作成・保存されます。
そのため、従来のように紙の公正証書へ署名押印する方法ではなく、基本的には、公証役場のタブレット端末などにタッチペンで電子サインを行う方法で作成されます。
電子サインによって作成手続きが行われるため、通常、実印による押印は不要です。
なお、本人確認のために印鑑証明書などの書類が必要になる場合はありますので、必要書類については、公証役場の案内に従って準備する必要があります。
公証役場は、基本的に混み合っていて、忙しいことが多いです。
公証役場と公証人の数が限られているところに、日々多くの依頼・相談が寄せられているので、とても忙しくされている公証役場が多いイメージです。
忙しい公証役場の中には、依頼をしてから、公正証書が完成するまでの見込みが2~3か月必要と言われることもあります。
たとえば、離婚の公正証書の場合、公正証書の取り交わしをしてから、離婚届を提出するという流れが推奨されますので、
公正証書の作成に2~3か月待たされるというのは、なかなかの辛抱を要します。
その一方で、数日で公正証書案文を作ってくれるなど、とても迅速に対応してくれる公証人の先生もおられます。
また、年末年始など時期によって依頼が増減するので、季節性の理由によって、通常よりも混雑していることもあります。
基本的には、忙しい公証役場が多いので、相談や依頼内容を整理して持ち込まないと、円滑に公正証書を作ってもらえないことがありますので、十分な準備が必要です。
公証人は、法務大臣から選任・指定を受けて、全国の公証役場に配置されます。
公証人に選任される人の多くは、元裁判官、元検察官、元法務局長など、法律のプロフェッショナルの方々です。
そのため、法律によって、公文書として公正証書を作ることが特別に認められています。
公証人の作成する公正証書は、高い証明力と信頼性のある法的書面として扱われます。
元裁判官、元検察官など馴染みのない人には、もしかすると怖いイメージがあるかもしれません。
私も開業当初に、初めて公証役場に連絡したときは、かなり緊張して電話した記憶があります。
ただ、実際には、とても気さくな方も多くおられますし、イメージどおり厳しい(冷たい?)方、尊敬できるくらい誠実で立派な方など、皆さん様々です。
そのため、当然のことかもしれませんが、一概に公証人は怖い、怖くないなどと語ることはできません。
公正証書の内容は、さまざまですが、通常は当事者の約束(契約)を規定することになります。
たとえば、物の売り買いをしたときの売買、不動産の賃貸、お金の貸し借り、慰謝料等の支払い、別居中の婚姻費用の支払いなど、
「個人間の契約で、お金の支払いがからむもの」であれば、基本的に公正証書を作ることができます
その他は、生前に遺産の取扱いを定める、遺言の公正証書もよく作成されています。
以下は、個人間でよく作成する公正証書の例です。
あくまでも一例であって、これら以外にも多種多様な公正証書が存在します。
公正証書を作るメリットは、いろいろありますが、わかりやすく説明すれば、主に以下の3つにまとめることができます。
公正証書は、私文書ではなく、公証人が公文書として作成するので、通常の契約書と比べて高い証明力をもちます。
何と言っても、この強力な強制執行力を付与してもらえることが、公正証書の一番のメリットであることが多いです。
公正証書に、「約束どおりの期日に支払いがない場合には強制執行を受けてもよい※」と認めた一文が書かれている場合、
実際に期日までに支払いがないときに、相手の財産を差し押さえること(強制執行)ができます。
※強制執行認諾条項といいます
公正証書は、信頼できる公証人が、無効な条件や取り消すことのできる条件がないことを確認した上で作成します。
そのため、公正証書は、通常の契約書よりもさらに高い信頼性のある書面として扱われます。
公正証書は「自分たちだけで作れる」と思われがちですが、公証人はあくまで中立の立場。どのような条項がお客様にとって最適かといったことを積極的に助言してくれるわけではありません。
たとえ契約書のひな形を持ち込んで公正証書化できたとしても、その内容が本当にご自身にメリットのあるものとは限りません。
また、将来のトラブルを防ぐための必要な工夫も、インターネットのひな形には反映されていないケースがほとんどです。
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