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不倫相手から「離婚する」と騙されていた

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不倫相手から「離婚する」と騙されていた

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「離婚する」という言葉を信じていたとき不倫の責任は軽くなるのか?

行政書士イメージ

男女問題専門の行政書士事務所で代表を務める大谷と申します。
「妻とは離婚する」と言って、ずるずると不倫関係を引き延ばすというケースがあります。


不倫の場面では、当事者の間で「妻とはうまくいっていない、もうすぐ別れるから」というような話が出ることが多くあります。

このような既婚者の男性の言葉を鵜呑みにして、離婚すると信じた女性の、相手の妻に対する責任は軽くなるのか?

今回は、これについて説明したいと思います。 
 

「夫婦関係がうまくいっていない」と聞いていた

相手の言葉を信じていたとき、責任は軽くなるのか?

既婚男性が女性を口説く際に、よく聞くセリフとして、「妻とはうまくいっていない」「もうすぐ離婚する」といったようなものがあります。

おそらくこれは、夫婦仲が冷え切っていることをアピールして、女性側の不倫に対する罪悪感をなくし、安心させることを目的としているのではないかと思います。

女性も、相手男性の家庭を壊すことについては、さすがに気が引けると感じることが普通だと思います。

いずれ男性の夫婦が離婚するのであれば、今のまま不倫関係でしばらく我慢してみよう。

しかし、結果として男性は家庭に戻ってしまう。

もしくは男性の妻から慰謝料請求されるようなことがあれば、女性にとって踏んだり蹴ったりです。

さらに、「妻とは離婚する」という男性の言葉を信じていたからといって、女性の不倫に対する責任がなくなるということはありません。
 

『私は、相手男性から夫婦仲はすでに破たんしていて、いずれ離婚すると聞いていた、私は家庭を壊すつもりはなかった』

女性がこのように主張して、不倫の責任を逃れることができるでしょうか。
 

不仲と信じていたという主張はほぼ「認められない」

実際の裁判等では、上記のような不倫をしていた女性の言い分ついては、ほどんと認めらないと考えられています。

男性の妻から慰謝料請求された女性が、
「夫婦関係はすでに破たんしていると聞いていたため、私には責任がない」

と主張して争った、裁判の判旨を見てみましょう。

一部理解しやすいように文言を変更しています。
 

(はじめは結婚していると知らなかったとしても)平成15年頃には婚姻の事実を知るに至ったというのであるから、その後も夫婦関係が破たんしているとの説明を鵜呑みにして、漫然と不貞関係を継続したことは、不法行為となるというべきである。

これは、交際の途中で相手が既婚者と知った後も、夫婦が不仲であるという相手の説明を鵜呑みにして、交際を解消しなかったことについて、

慰謝料を支払う責任があると言っています。

 

もう一つ、女性が同じような主張をして争った別の裁判判旨を紹介します。こちらも一部理解しやすいように文言を変更しています。
 

まだ夫婦は別れておらず、離婚もしていないため、(不倫相手は)婚姻関係が破たんしていたと認識していたとまでは言えず、そのおそれがあるという程度の認識で、破たんしていることを希望していたにすぎないというべきであるから、不貞行為による不法行為責任を負うべきである。

「夫婦関係が破たんしている(不仲である)と聞いていたので、私には責任がない」という女性の主張に対して、裁判所は、割と厳しい態度を示しているといえます。
 

慰謝料の減額理由になる可能性はある

夫婦関係は破たんしていた、不仲であると信じていたため、(不倫をしていた)私には責任はないという主張は認められにくいということが分かりました。

ただ、「夫婦関係が破たんしていると信じていた」という事情が、まったく考慮されないということではありません。

他の裁判例では、男性から夫婦が不仲であると告げられ、男性の夫婦関係が円満ではないと信じていたという事情が、

慰謝料の減額事由として考慮されているニュアンスのものもあります。

男性から騙されていたのであれば、慰謝料を減額してもらう材料になる可能性はあるということです。

ただ、あくまでも慰謝料の減額材料になる可能性があるという程度で、基本的に、責任をすべて逃れることは難しいと考えるべきです。
 

不倫の開始時において夫婦関係が破たんしていた場合は責任なし

相手男性の話がウソではなく、本当に夫婦関係が破たんしていることもあるでしょう。

その場合には、「不倫の開始時」において、すでに相手の夫婦関係が破たんしていた場合には、慰謝料を支払う責任は生じません。

不倫関係になった当初から、相手の夫婦関係が破たんしていたという事実が必要です。

先に不倫がはじまって、その後に相手の夫婦関係が破たんしたという順番ではNGです。

それですと、不倫によって相手の夫婦を破たんさせてしまったことになってしまいます。

不倫のスタート時に、もうすでに相手の夫婦関係が破たんしていた場合に限り、不倫の責任を負う必要がないということになります。
 

どういう状況であれば破たんしていると言えるのか

どのような状態であれば、相手の夫婦関係が破たんしているといえるのか。

明確な基準があるわけではないため、判断はケースバイケースとなります。

一つの目安として、夫婦が離婚を前提として、すでに長期間の別居状態であった、というものがあります。

夫婦が数年間にわたる長期の別居に至っており、さらにその別居が、夫婦関係を再構築するための前向きなものではなく、再構築に向けた話し合いも行われることがなく、

離婚に向けて長期間の別居を続けているようなケースでは、夫婦関係はすでに破たんしているとみなされる可能性が高いといえます。

ただ、単純に別居しているイコール夫婦関係が破たんしているということではないので注意してください。

夫婦関係の冷却を目的として、一時的に別居するというものあれば、破たんしているとはいえません。

再構築に向けた話し合いが行われることなく、離婚に向けて、長期間別居しているような状況であれば、破たんしていると言える可能性があるということになります。

別居が不倫の慰謝料に与える影響については、別ページ「別居中の不倫と慰謝料請求」で、よりくわしく説明しています。
 

慰謝料の金額は50万円から300万円程度

不倫の責任は、慰謝料の支払いをもって償うとされています。

慰謝料の相場は、おおむね50万円から300万円程度の範囲内に収まるとされています。

不倫の態様・違法性の大小・不倫により夫婦が離婚に至ったのか、幼い子がいるのか等、様々な事情が総合的に判断され慰謝料の金額が決まることになります。
 

慰謝料以外を求めることはできない

被害者から不倫当事者に対して、慰謝料以外の方法で責任をとることを求めることは基本的にできません。

会社の退職や異動、近所から引っ越すことなどを、被害者から不倫の当事者に対して、要求する法的な根拠はありません。

しかし、慰謝料のように法的請求をすることはできませんが、当事者同士の話し合いによって、相手が任意的にこれらの求めに応じるというのであれば、問題はありません。

そのため、会社を退職するのであれば、慰謝料を減額するといったように、慰謝料減額の条件として、退職や異動願の提出などが示談の条件となることはあります。
 

まとめ

本ページでは、「妻とはうまくいっていない」「もうすぐ離婚する」といった話を信じた女性の責任について説明しました。

「夫婦関係が破たんしていると信じていたので、私には責任がない」というような主張は認められにくいということがわかりました。

ただ、まったく上記のような事情が考慮されないということではなく、夫婦関係が破たんしていることを信じても仕方がなかったというような事情がある場合は、慰謝料の減額事由になる可能性はあります。

また、不貞行為の開始時において、本当に夫婦関係が破たんしていた場合には、そもそも不倫の責任を負わなくてすむ可能性が高いといえます。

不倫のスタート時に本当に夫婦関係が破たんしていたのであれば、法律によって保護されるべき、夫婦の円満・平穏といったものが、元々なかったといえるからです。
 

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