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偽装離婚のリスクとペーパー離婚との違い

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記事の執筆者(行政書士 大谷一也)
行政書士イメージ

夫婦・男女問題に関する各種書類作成の専門家です。2014年の開業からこれまでの間に、延べ8,000件以上のご相談に対応し、3,000件以上の受託実績をもつ、夫婦・男女問題に関する法務サービスのスペシャリスト。

「偽装離婚」は明らかな不正行為であり、発覚すると刑事罰・手当などの返還請求・子どもの退園など生活に大きなダメージが及びます。

その一方で、「ペーパー離婚」は合法ですが、年金や相続で不利益を被ることもあります。

本記事では、違法な行為をしないよう危険なラインをわかりやすく整理し、安全な選択肢を説明します。

そもそも偽装離婚とは?

目的:生活保護、ひとり親の優遇を得ることを目的とした不正

戸籍上は離婚しているものの、実態は同居や夫婦生活を続け、行政支援や手当の受給などを目的とする形式的離婚が偽装離婚です。

偽装離婚では、夫婦としての生活の実態があるにもかかわらず、離婚届を提出して戸籍上は離婚している状態とします。

夫婦各々が、個人として生活保護を受給したり、ひとり親世帯として、行政から手当てなどを受けることを目的として、

本当は、結婚している夫婦と同じであるにもかかわらず、形式的に離婚しているわけです。

生活保護や、ひとり親としての母子手当の受給、保育園への優先的な入園などを目的として偽装離婚が行われることが多いと言われています。

偽装離婚により夫婦それぞれが生活保護を受給し、中には働かずして夫婦で数十万円の生活保護を不正に受給するケースもあるようです。

 

ペーパー離婚とのちがい

旧姓に戻すこと、夫婦別姓を実現するためのペーパー離婚は、(不正がなければ)合法です。

偽装離婚との違いは、行政支援や手当の不正受給を目的としているか、それとも単に旧姓に戻すこと、夫婦別姓を実現することを目的としているかという点です。
 

偽装離婚が発覚するとどうなる?

「公正証書原本不実記載罪」に該当する可能性

「公正証書原本不実記載罪」という犯罪は、戸籍など役所などの記録に、真実ではないウソの内容を記録させる犯罪です。

本当は夫婦であるにもかかわらず、生活保護やひとり親としての優遇を受けるために、離婚というウソの届出をして、戸籍に真実ではない記録をさせたとして罪に問われる可能性があります。

この犯罪行為の刑罰は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金とされています。

 

行政ペナルティ:手当の返金や保育園の退園

偽装離婚が発覚したときには、これまで不正に受給した手当や生活保護費の返還を求められることになります。

また、子どもが不正な方法によって優先的に入園した保育園を退園処分にされることも考えられます。

不正をした当然の結果であるとはいえ、手当や生活保護費の返還は金額が大きくなるため簡単にできるものではありません。

また、保育園を退園処分となった子どもにも、大きな心理的な影響を与えます。

さらに犯罪行為として起訴された場合には前科が付くこともなりますので、その後の生活に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。

借金逃れの偽装離婚の場合

借金逃れのために偽装離婚するというケースもあります。

例えば、ウソの離婚によって夫の財産のすべてを妻に移転してしまい、夫の借金の差押えの対象外とする不正です。

しかし、このような財産分与は、借金の貸主(債権者)を害するとして、貸主から不当な財産分与の取り消しが訴えられることがあります。

この取り消しが認められると、離婚時の財産分与が取り消されることになるため、妻へ移転した財産も、財産分与の取り消しによって夫の財産として戻り、差押えの対象となります。

 

偽装離婚が発覚するきっかけ

役所の現況調査

偽装離婚による生活保護や手当ての不正受給は以前から問題視されているため、役所の担当者も常に不正受給を警戒しています。

役所から委託を受けたケースワーカーが、生活状況を訪問・確認していますので、ケースワーカーが偽装離婚に気付くことがあります。

同居実態や、生活費(公共料金)の支払負担、生計の同一性などの確認で、実質的には離婚していないこと(夫婦の実態があること)が判明すれば、受給している手当の内容によっては不正に該当する可能性があります。

密告による発覚

中には「偽装離婚ではないか?」と知人・近隣住民などから役所に対して匿名の密告があり、偽装離婚が発覚するというケースもあるようです。

偽装離婚でも離婚自体は有効に成立する

離婚そのものは有効

偽装離婚という不正を目的とした離婚であっても、離婚届を提出すれば離婚自体は有効に成立します。

もし、再び入籍しようとしたとして、その時に夫婦の一方が入籍を拒んだ場合には、離婚はすでに有効に成立しているため、一方が入籍を拒んでいる限り、元に戻ることはできません。

たとえ実態として離婚後もこれまでと同じように夫婦生活を営んでいたとしても、一方に入籍を強要することはできませんし、過去の離婚が偽装離婚のため無効であるという主張もできないと考えられています。

そのため、離婚の届出が便宜上のものであったとしても、戸籍上、離婚は有効なものとして扱われます。

離婚が無効になるケース

参考までに離婚が無効になるケースも確認しておきましょう。

たとえば、夫婦の一方が無理やりに離婚届にサインさせるようなことがあれば、離婚は無効になる可能性が高いです。

過去の判例では、夫が妻に離婚届へサインするよう求め、妻が拒否すると、夫が妻に茶碗などを投げつけるといった乱暴な行為を行い、

妻がその場を収めるためにやむを得ず夫の要求に従い離婚届に署名したところ、夫が勝手に役場に離婚届を提出てしまったという事案があり、このケースでは、離婚が無効であると判断されました。

 

ペーパー離婚は合法?メリットと注意点

ペーパー離婚とは:氏を旧姓に戻すことを目的とした離婚

ペーパー離婚により、ビジネスネームと戸籍上の氏名を統一することができます。

偽装離婚と似たような言葉に、ペーパー離婚というものがあります。

一般的にペーパー離婚とは、

結婚により夫と同姓になった妻が、結婚前の旧姓を名乗るために、形式上離婚することをいいます。

離婚後は事実婚として夫婦生活を続けます。

ペーパー離婚することで夫婦関係を維持したまま、戸籍上は離婚を成立させて、結婚前の氏(旧姓)に戻すことができます。

夫婦関係、家族関係は離婚前の状態となにも変わらず、事実婚の夫婦・家族として、そのまま結婚生活を続けることになります。

職場などで呼ばれている通称と戸籍上の氏名を一致させることを目的として、ペーパー離婚により氏を旧姓に戻すというケースが多いです。

ペーパー離婚は犯罪に該当するか?

ペーパー離婚は犯罪ではありません。

偽装離婚が、公正証書原本不実記載罪という犯罪に該当する一方で、ペーパー離婚については、何の犯罪行為にも該当しません。

氏を旧姓に戻すために離婚するという行為は、何の不正にも該当しないため、正当な行為として認められています。

他方、上記で説明したとおり生活保護や手当を不正に得ることを目的とする場合には偽装離婚と呼ばれ、この場合にはペーパー離婚とは異なり、不正な行為であるとされています。


ペーパー離婚については、以下のサイトも参考にしてみてください。
ペーパー離婚とはカケコムメディア

ペーパー離婚のデメリット

夫婦別姓を目的として、ペーパー離婚を選択する夫婦もいます。

しかし、夫婦別姓のメリットを得られる一方で、デメリットもあります。

「別姓にしたい」と安易にペーパー離婚する前に、事実婚のデメリットも十分に確認する必要があります。

夫婦として、公的年金の受給(遺族年金)を受けるときに、事実婚の場合には審査を受け婚姻関係を認めてもらう必要があります。

また、事実婚では夫婦間で相続する権利がありません。

入籍している夫婦の場合、いずれか一方が死亡したときに、生存配偶者は、相続人として亡くなった配偶者の財産を相続することができます。

しかし、事実婚の場合、夫婦(パートナー)のいずれか一方が死亡したときに、生存しているパートナーは、相続人として、財産の相続を受けることができません。

相続が、戸籍上の夫婦(法律婚)のみを対象としているため、事実婚のパートナーについては、相続人としての地位が認められません。

そのため事実婚パートナーに、遺産を渡すためには、法定相続とは別に、遺言をする、もしくは死因贈与契約を締結するという、生前にあらかじめ何らかの手当てをする必要があります。

 

偽装離婚のリスクとペーパー離婚でよくある質問

ペーパー離婚を考えていますがリスクはありますか?

不正を目的としたものでない限り合法です。ただ、相続で不利になる可能性があります。

偽装離婚と異なり夫婦別姓を実現するためのペーパー離婚であれば、法的な問題(違法性)はありません。

ただ、本来配偶者として、他方配偶者にもしものことがあれば、自動的に遺産を相続できるのですが、ペーパー離婚で離婚が成立してしまうと、自動的に相続を受けることができなくなります。

遺産を受け取るには、生前に、お互いに遺言書を作成するなどの対処が必要です。

ペーパー離婚した後もこれまでどおりの夫婦関係を続けたい

事実婚契約書(公正証書)を作成する方法があります。

ペーパー離婚であっても離婚は成立します。

これまでどおり財産の管理、子供への親権行使などをする裏付けが欲しいという方は、事実婚契約書(公正証書)をつくることで、法律婚夫婦と同じ権利義務関係を築くことができます。
 

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離婚時には、慰謝料、親権・養育費、財産分与などの条件を本人同士で話し合って決めなければなりません。白紙の状態で話し合うよりも協議を始める前の段階から専門家が書面作成を通じて関与することで、より円滑に離婚協議を進めることができます。当事務所では、これまでに多くの離婚給付公正証書作成した実績を有していますので、お困りの方はぜひ一度ご相談ください。

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