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離婚時の子の親権

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親権者を決めるときに知っておくこと

行政書士イメージ

夫婦、男女問題専門の行政書士事務所で代表を務める大谷と申します。
 

離婚後も夫婦の双方が、子の親権を持ち続ける「共同親権」について、盛んに議論されています。

共同親権が認められれば、「父母の一方のみを子どもの親権者に指定する」という悩みはなくなります。

ただ、令和4年現在では共同親権は認められていません。

そのため、離婚する時には未成年の子について、必ず夫婦のいずれか一方を親権者として指定する必要があります。
 

子の親権はどうやって決めるのか

親権者を決めるときの判断基準

疑問に感じる女性

父親と母親、どちらが子の親権者にふさわしいのか、これは夫婦・親子ごとに事情が大きく異なります。

基本的には、幼少期の子どもは母親の近くで育った方が良いという考え方があります。

しかし、半ば育児放棄のような状態であるにもかかわらず、親権の主張だけはしっかりするという母親もいます。

本当に母親のそば暮らすことが、子どもにとって幸せなのか、健全に成長することができるのかを慎重に検討する必要があります。

一例ではありますが、次に紹介するような事情を総合的に判断して、子どもの福祉にとって最適な親権者を選ぶものとされています。
 

  • 当事者の子の親権獲得に対する意欲

  • 当事者の健康状態

  • 家庭環境(経済的側面・精神的側面)

  • 住居や教育の環境

  • これまでの子に対する監護の状況

  • 子に対する愛情の程度

  • 実家がある場合は、実家の状況

  • 家族親族の援助があるか

  • 子の年齢、性別

  • 子の環境変化に対する適応性

  • 子自身の希望

親権の帰属は母親の方が有利か?

裁判の判例から、親権者を決める基本的な考え方を紹介します。

子と親との心理的な結びつきを重視する。
子を実際に養育している者を変更することは、子の心理に不安をもたらす可能性があるため、子に対する虐待などの特別な事情が無い限り、これまで現実に子を養育している者を優先させるべき

幼い子の面倒は母親がみているケースが多いため、親権の帰属について争いになったときには、子の近くにいた母親が有利といえます。

また、乳幼児については、特別な事情が無い限り、母親の監護を優先させるべきであるとする考え方もあります。

やはり乳幼児期の子ども成長には、「母親は欠くことができない」という理念が基本としてあるようです。

ただ、母親であればどんな母親でも良いということにはなりません。

日ごろから子どもとの心理的な結びつきがあり、日ごろから子をしっかりと監護していることが必要です。
 

大切なのは子の意思を尊重すること

裁判の手続きにおいて、15歳以上の子どもの親権者の指定をする場合には「必ず子ども本人の意見を聞かなければならない」というルールがあります。

実際には、15歳未満の子であっても、子の気持ちを傷つけないように十分に配慮したうえで、子の本人の意思を確かめ、それを尊重する配慮が必要になります。

また、子に兄弟姉妹がいる場合には、兄弟姉妹を分離しないことが原則とされています。

基本的には、これまでの兄弟姉妹の関係を分離しない扱いをします。

兄弟姉妹の分離について、何か特別な事情がある場合には、一律の扱いはできないため、特別な事情があればその事情を考慮して総合的に判断することになります。

ただ、いずれの場合であっても、子本人の意思を尊重すべきという結論に変わりはありません。

尚、親権を失ったからといって、二度と子どもと会えなくなるということではありません。

離婚後の子との面会交流を行い、子どもとの関係を継続することができます。
 

不倫など一方の責任が大きい場合

たとえば、母親が不倫をしたことで夫婦が離婚に至った場合、

父親としては、妻の不倫で家庭を壊されてしまい、さらに、子どもの親権を失うようなことは到底納得できないでしょう
 

離婚に際して、まず不倫や不貞行為を行った者は、親権者としても不適当であるという考え方があります。

それとは反対に、不倫や不貞行為は夫婦間での問題であり、子の親権者としての、適格性とは切り離して考えるべきという考え方もあります。


夫婦関係は冷めきっていて、結果として不倫により自ら離婚原因をつくった。

しかし、子に対する、愛情や監護養育については、これまで精一杯、子どもに尽くしていたというようなケースもあります。

このような場合には、不倫という離婚原因と子どもの親権行使に対する適格性とは、切り離して考える方が妥当であるとされる可能性が高いです。

そのため、一概に「離婚原因において有責だからといって、子どもの親権を得ることができない」ということではありません。
 

乳幼児の子の親権に関する考え方

乳幼児の親権については、基本的には母親を優先させるべきとされています。

なぜなら乳幼児期における子どもの成長には、母親の愛情が不可欠であると考えるからです。

しかし、この考え方は、

母親が一概に子どもの養育に適しているとは言えず、子どもの育児に対する父親と母親の役割が大きく変化している現在においては、古い考え方である」と批判されています。

父親が外で働き、母親は家を守るという昔のスタイルとは異なる夫婦関係も多くあります。

子どもが、父母のどちらと心理的な絆が強いのか、どちらに親としての適格性があるのかを、

乳幼児であるからといって一律に母親優先とするのではなく、個別の事例ごとに具体的に検討する必要があるとされています。

たしかに実務上の相談でも、母親の適格性に疑問を感じるケース(母親が男性に入り浸って育児を疎かにしている、十分な収入を得ることができない等)は、少なくありません。
 

どうしても話し合いで「親権者を決めることができない」場合

離婚するときには、夫婦のいずれか一方を子どもの親権者に定める必要があります。

離婚届にも子どもの親権者を記載する欄があり、親権者が決まっていないと離婚届を受理してもらえません。

夫婦の一方に不倫などの有責行為がない場合、性格の不一致による離婚の場合には、さらに親権者を決めることが難しいこともあります。

どうしても本人同士の話し合いで決めることができない場合には、家庭裁判所に調停を申し立て、調停員に間に入ってもらったうえで親権の話し合いをすることもできます。
 

内縁の子(非嫡出子)の場合

婚姻中は、両親の双方が子どもの親権を持っています。

そこで、もし両親が入籍せず法律上の婚姻をしない場合、いわゆる内縁や事実婚のとき、子どもの親権は誰が持つのか?

生まれてくる子どもと母親の親子関係は、分娩・出産の事実により当然に発生するとされているため、母親は当然に子の親権者になります。

その一方で、事実婚(内縁の場合)父親については、母親と法律上の婚姻がないので、まずは、生まれてきた子どもを認知するところから始める必要があります。

また、子どもが生まれたときに父母の協議で親権者を父と定めた場合には、父親は子の親権者になることができます。

(内縁・事実婚の場合は、単独親権のため、父親を親権者とした場合、母親は親権を失います。)

子どもが生まれた後、親権者を母親から父親へ変更するためには、家庭裁判所において、親権者変更に関する審判を申し立てる必要があります。
 

子どもの親権とは、どんな権利なのか?

親権には、子どもの身の回りの世話をして監護する「身上監護権」と、

子どもの財産を管理する「財産管理権」、子の権利行使を代理をする「法的代理権」という、3つの権利を含んでいると考えられています。

親権者は、子どもに対する次の3つの権利を持つことになります。
 

親権の内訳 ⇒ ①身上監護権、 ②財産管理権、③法定代理権

ただ、一般的に親権といえば、子どもと一緒に暮らして身の回りの世話をすることができる①身上監護権のことを指しているといえます。

親権者は、子どもを健全に成人まで育て上げる親の「義務」を負うことになるため、責任は重大です。
 

例外的に親権者と身上監護権者を分けることもある

例えば父親がどうしても親権だけは譲れないと主張し、母親も親権者を父とすることに同意している

しかし、現実的には、父親が仕事で遅くまで働いているため、親権者になっても子どもの面倒をみることができないということがあります。

このような場合には、母親が親権の一部である身上監護権のみをもって、監護者として、子どもと一緒に生活するという取り決めをすることもできます。

その他にも、たとえば、母親の不倫によって離婚に至ったような場合には、父親として子どもの親権を、素直に母親に渡したくないと主張することがあります。

また、子どもの世話は十分にできるが、浪費やギャンブルなどで、子どもの財産管理や法定代理人となることは任せられないというような事情があることもあります。

このような場合、解決策の一つとして、一方が親権者となり、他方が身上監護権となって子どもの近くにいるという取り決めをすることもあります。
 

身上監護権者のできること、できないこと

子どもと一緒に暮らしたい、子どもの世話をし続けたいという場合には、身上監護権者となることで、子どもの身の回りの世話をすることができるようになります。

通常、親権には身上監護権を含みますので、親権者であれば、子どもの監護をすることができます。

また、もし親権者と身上監護権者を、父母にそれぞれ分ける場合、

親権が、他方に帰属したとしても、身上監護権者となることさえできれば、子どもと一緒に暮らせます。

ただし、この場合には、子どもの親権の内訳のうちの、身上監護権しか有していないという状態になります。

そのため、子どもの近くで世話をすることはできますが、子どもの財産の管理をすることや、子どもの法定代理人になることはできません。

これらの権利は、親権者がもつことになります。

親権は相手に帰属させて、こちらには身上監護権しか有していない場合、

子どもの法的代理人としての手続きをする必要がある場合、身上監護権は、親権者に手続きをしてもらう必要があります。

さらに、子どもの財産の管理も、親権者(財産管理権を有する人)が行うことになります。

身上監護権者は、あくまで子どもの身の回りの世話(監護)をする権利であるといえます。
 

両親双方が監護者になりたくないという場合もある

幼い子どもだけは手放したくないと、双方が親権を主張し、離婚の協議がスムーズに進まないというケースが一般的なのですが、

珍しいケースとして、夫婦の両方が我が子の親権や、身上監護権を不要(子供を引き取りたくない)と考えているケースがあります。

親権・身上監護権の帰属を否定する理由としては、経済的な理由や、仕事の繁忙、自身が病気がちなため幼い子どもの面倒をみることができないというようなものが多いです。

離婚届には子どもの親権者を記載する欄がありますので、必ず夫婦のどちらかを子どもの親権者として指定する必要があります。

親権者を指定しないまま離婚届を提出しても、受理されず差し戻されてしまいます。

どうしても親権者を決めることができないときには、家庭裁判所の調停や審判の手続きを利用して解決を図ることとなります。

しかし、双方が親権の帰属を拒否しているにもかかわらず、裁判所の手続きで無理やり親権者を決定しても、それが子どもにとって本当に良いことなのかは疑問といわざるをえません。

嫌がっている両親の一方を無理やり親権者に指定しても、いわゆるネグレクト(育児放棄)などが生じる可能性が高くなってしまいます。

子どもの身の回りの世話を行わず、幼い子を家に長時間放置する、虐待や暴力に発展するおそれもあります。

このような事態を回避するために、子どもの他の親族や児童相談所などが、親の親権喪失の申し立てをすることができます。

子どもの親権喪失の手続きが取られた場合、(両親ではなく)第三者を子どもの後見人とするための申し立てを行い、

両親とは別の第三者が、子どもの後見人となって身の回りの世話や教育などをすることになります。
 

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請求できる権利についてよく調べて、焦らずに少しでも有利に離婚手続きをすすめて下さい。

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