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二人きりで密会している、「大好き」といったメッセージのやり取りをしている。
しかし、不貞行為までは確認できない。
このような配偶者のプラトニックな浮気で悩んでいる人は多いと思います。
不貞行為がない場合でも、慰謝料請求できるケースもあります。
今回は、不貞行為がない浮気が発覚したときの対応や慰謝料請求について、わかりやすく説明します。
不貞行為とは、一般的に性的関係を結ぶことを意味します。
そのため、異性との密会や好意を伝え合うメッセージのやり取りだけでは、不貞行為には当たらないとされています。
しかし「不貞行為がなければ、浮気相手に対して慰謝料請求できない」と言い切ることはできません。
裁判の判例には「肉体関係が違法性を認めるための絶対要件とはいえない」というものがいくつかあります。
分かりやすく言い換えると、不貞行為がなくても、慰謝料請求できる可能性があるということです。
不貞行為がないから、証拠がないからといってあきらめる必要はありません。
既婚者と「好き」「愛している」といったメールのやり取りをする行為について、少額の慰謝料支払いを認めた判例があります。
不貞行為がなくても、このような迷惑行為があれば、こちらの夫婦の平穏が侵害されますし、
もちろん精神的苦痛を受けることになります。
相手に慰謝料で償ってもらいたいというのは、ある意味当たり前とも言えますが、
ケースバイケースで、個別の状況やシチュエーションによって結論が異なります。
そのため、相手の迷惑行為について、ハッキリとここからはアウトといったように線引きすることが現状では難しいのです。
もしかすると冗談で、ふざけていただけという場合もあるかもしれません。
もし、ふざけていただけという場合には、たとえこちらが気分を害されたとしても、それだけで相手に慰謝料請求することはできないでしょう。
相手の迷惑行為が、夫婦生活の平穏を侵害する違法な行為に該当するのか、否か、という点がポイントになります。
以下に具体例を、3件紹介します。
どんな迷惑行為があれば慰謝料請求を検討できるのか、確認してみましょう。
はじめに、既婚者と「逢いたい」「大好きだよ」というような内容のメールのやり取りをしていたことについて、
慰謝料の支払いが認められたケースを紹介します。
このケースでは、不倫相手から、既婚者に対して愛情表現を伴う内容のメールが送信されていました。
さらに、そのようなメールは既婚者の配偶者に、見られる、気付かれる可能性がありました。
「逢いたい」「大好きだよ」というメールは、性交渉の存在自体を直接想像できるものではないが、
不倫相手が夫婦の一方に好意を抱いており、また、知らないところで不倫相手と会っていることが示唆されている。
さらに、夫婦の一方と不倫相手に肉体関係があるような印象を与えるものであり、
このようなメールを配偶者が読んでしまった場合は、結婚生活における平穏を侵害する行為であるというべきである。
裁判所は、このケースでは愛情表現を含んだメールのやり取りについて、違法性のある行為であると認めました。
ただし、性的関係がなかったため、違法性は軽いものとし、慰謝料の金額は30万円と判断されました。
低額ではありますが、不貞行為がないのに、慰謝料支払いが認められたという点について、同じようなケースで参考にすることができます。
不貞行為がなかったにもかかわらず慰謝料が認められた判例を、もう一つ紹介します。
このケースでは、既婚の男性が同僚の女性に対して、不貞関係やキスを迫っていたのですが、
その女性は、
「既婚者とそのような関係にはなれない」として、男性からの求めを上手くスルーして性的関係になることをずっと拒んでいました。
しかし、この女性は男性からのアプローチをはっきりと拒絶せず、その後も男性と密会を続けていました。
ちなみに不貞行為は、一度もありません。
上記の関係を知った妻が、相手女性に対して慰謝料の請求をした結果、
不貞行為はないものの、相手女性の行為は夫婦の平穏を侵害するとして、44万円の支払いを認めた判例があります。
次に紹介する判例では、「愛している」「大好き」など、愛情表現を伴うメールのやり取りをしていたのに、
これまでのケースとは反対に、慰謝料の支払いが否定されています。
その判旨を、分かりやすくするために一部の表現を変更して紹介します。
不貞行為までには至らないが、婚姻を破たんに至らせる可能性がある異性との交流・接触も、慰謝料請求権を発生させる余地がないとはいえない。
しかし、私的なメールのやり取りは、たとえ夫婦であっても、自分以外の他人の目に触れることを想定したものではなく、
性的な内容を含む親密なメールのやり取りをしていたこと自体を理由とする慰謝料請求は、プライバシーを暴くものであるというべきである。
また、「愛している」「大好き」というメールの内容についても、婚姻生活を破たんに導くことを、意図していたとはいえない。
よって、浮気相手の行為は、慰謝料請求を受けるほどの違法性はない。
この判例では、慰謝料請求権を発生させる余地がないとは言えないけれども、
メールのやりとりは、他人に見られることを想定しておらず、また、相手にも婚姻生活を破たんさせるような、意図はなかったため、違法性はないという結論を出しています。
先ほどの、慰謝料の支払いを認めた判例とは、結論が逆さまです。
ケースによって慰謝料が認められる場合と、認められない場合に、裁判所の結論が分かれていると言えます。
しかし、この判例でも、
「慰謝料請求権を発生させる余地がないとはいえない。」と言っていますので、
不貞行為がないからといって、それだけで直ちに、慰謝料請求をあきらめる必要はないということがわかります。
不貞行為がない場合でも、慰謝料請求を検討できる可能性があるということが、分かっていただけたかと思います。
浮気相手の中には、
「不貞行為をしていないので私は何も悪くありません。」といった勘違いした反論をしてくる相手も多いようです。
そんなときに、不貞行為がないからといって、相手への責任追及をあきらめる必要はありません。
「これまであなたがしてきた行為は夫婦の平穏を侵害する不法行為に該当すること」を伝えて、迷惑行為の中止や、慰謝料の支払いを求めることが検討できます。
相手にこちらの主張や請求を伝える方法は、次の3つの方法が考えらえます。
浮気相手と、直接やり取りする自信がない。
言いたいことを相手に上手く伝えることができないという人も多いと思います。
当事務所では、浮気相手に対する迷惑行為の中止や、慰謝料の支払いを求める通知請求書の作成を引き受けています。
通知請求書を相手に直接渡してもらっても良いですし、相手の住所と氏名が分かるなら、内容証明郵便で通知請求書を郵送することもできます。
こちらの被害、それに伴う相手の法的責任などを、書面で論理的に説明すれば、迷惑行為が直ちに止むことや、慰謝料の支払いが期待できます。
普通の感覚からすれば、迷惑行為を書面で指摘され、どのような法的責任を負っているのか書面で警告されたにもかかわらず、
そのまま迷惑行為を続けるというのは通常考えにくいです。
また、不貞行為がない場合であっても、相手の迷惑行為を指摘して、慰謝料の支払いを請求し、実際に慰謝料を受け取られている方も少なくありません。
通知請求書(内容証明郵便)については、別ページでくわしく説明していますので、以下のリンクページを参照してください。
Aさんの夫は、職場の取引先で受付をしている女性と、私的な密会を繰り返していました。
不貞行為は確認できなかったものの、日頃からLINEで好意を伝え合う関係にあることが発覚しました。
また、ドライブレコーダーの音声から、ふたりが親密な関係にあり車内でキスをしていたことが確認できました。
(相手の自宅の住所がわからなかったので)相手女性の職場あてに関係の解消と慰謝料の支払を求める内容証明郵便を送付し、無事に相手女性から慰謝料50万円が支払われました。
Cさんは、夫が独身女性と浮気していることを知りました。
夫と相手女性のやり取りから不貞行為まで行われている可能性が高いと感じていたものの、不貞行為の存在までは、確認することができませんでした。
夫も「不貞行為はしていない」と否定していました。
Cさんは慰謝料にはこだわらず、とにかく関係を解消してくれれば良いという希望だったため、
相手女性宛に、通知請求書と関係解消を約束する誓約書を一緒に送付して、相手女性に誓約書へのサインと返送を求めました。
その後、無事に誓約書は返送され、夫と相手女性の関係を解消させることに成功しました。
不貞行為がない場合の不倫相手に対する慰謝料請求については、判例でも結論が分かれています。
さらに、たとえ相手からの慰謝料の支払が認められたとしても、相手からは少額の慰謝料しか受け取ることができません。
そのため、弁護士に依頼すると弁護士に支払う報酬の方が多くなってしまうことや、
もしくは、獲得した慰謝料の一定割合を成功報酬として弁護士に支払うという場合には、
数万円しか弁護士の成功報酬が発生しないなどの不具合が生じる可能性があります。
そのため、基本的に不貞行為がない場合には、弁護士に慰謝料請求を依頼しても引き受けてもらえないことが多いようです。
ではどうすれば良いのか?
弁護士に依頼できないのであれば、ご自身で対応するしかないということになります。
もし、浮気相手と直接話し合うことが難しいという場合には、当事務所で相手にこちらの主張や請求を伝える通知請求書を作成することができます。
浮気相手の他にも、自身の配偶者への対応も必要になります。
「不貞行為をしていないのだから、不倫ではない」
などと、事態を軽くとらえられてしまっているかもしれません。
しかし、もしそのまま発覚しなければ、いつか不貞行為に発展していた可能性は高いはずです。
また、好意を伝え合っていることを知ってしまった被害者の精神的苦痛は、たとえプラトニック不倫であったとしても、とても大きなものとなります。
再び同じことが起こらないように、不倫をした本人たちと交わした約束は、誓約書などの書面にして残すようにしてください。
本人たちから取得する書面について、以下のページでくわしく説明しています。
不貞行為が確認できない場合には、浮気相手に対して何も責任追及できないと誤解している人は少なくありません。
弁護士に相談しても、不貞行為がないと伝えると「それでは慰謝料請求できませんね」「お手伝いできません」と、門前払いされてしまうことが実際には多いようです。
しかし、上記のとおり不貞行為がなくても少額の慰謝料を請求できる可能性があるということは、お分かりいただけたかと思います。
平穏な夫婦生活を侵害する加害行為は、違法性を有し、慰謝料請求の対象になり得るということを忘れずに、
浮気相手からの迷惑行為に対して、断固としてNOを突きつけるべきだと考えています。
たとえ不貞行為の証拠が得られなかったとしても、
既婚者と「愛している」「大好き」といったようなやり取りをすることは、社会的・倫理的にも許されるものではありません。
毅然と中止を求めることが大切です。
中にはこちらが中止を求めているにもかかわらず、二人きりのデートを止めない、相手女性の自宅で密会している、深夜に頻繁に密会するといった、より違法性が高いケースもあります。
こちらから相手に連絡してみると「不倫関係ではありません」などと、不貞行為がないから、どんな迷惑行為を行っても良いと相手から勘違いした主張をされることもあるようです。
もし、そのような状況になった場合には、例え不貞行為がなくても、こちらは夫婦の平穏を侵害され重大な損害を被っている、
このまま迷惑行為を中止しない場合には、こちらは慰謝料請求を含めて検討すると、強く迷惑行為の中止を求めて良いのです。
当事務所では、不倫・浮気相手に対して、迷惑行為の中止を求める「通知請求書」の作成・送付をお引き受けしていますので、書面の作成を通じてお手伝いすることができます。
書面通知をすることでこちらの強い主張を相手に伝えることができます。
お困りの方はお気軽にご相談、お問合せください。
不倫や浮気に関する書面の作成は、自分たちでできるとお考えかもしれません。ただ、法的効果のある書面を作成するためには、一定の法律上の知識が必要になります。当事務所では弁護士等の意見も踏まえながら、これでに数千件の浮気に関する書面を作成した実績とノウハウを有しています。法的にも有利な証拠として利用可能な、かつ浮気防止に効果的な書面を作成することができます。
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