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愛人契約・パパ活の法的有効性

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愛人契約、パパ活は基本的に無効な契約

・愛人契約とは

はじめまして、不倫・浮気・男女問題を専門とする行政書士アークス法務事務所代表の大谷です。

「愛人契約、パパ活の法的有効性」について、本ページで私と一緒に考えてみましょう。
 

このページで理解できること

  • 愛人契約、パパ活とは
  • 約束どおりに金銭が払われなかったときの対応
  • 愛人に支払った金銭を返してほしいときの対応
・愛人契約とは

愛人契約とは、既婚者が独身の女性と、一定の金銭を支払うことを条件として、月に何回デートする、性行為を行う、愛人としての関係を維持することを約束する契約とされています。

昔は、妾(めかけ)契約などと呼ばれていてこともありました。情交の対価として、女性が男性から毎月一定の金銭を得る、もしくは住居の提供を受けるといったような約束が基本的な形態です。

インターネットで「愛人契約」と検索すると、様々なサービスがヒットして、デート〇回いくら、性行為を行う場合いくらなどと相場の金額までが示されているものもあります。

お金がほしい若い女性と、お金があり愛人を必要とする富裕男性とのお互いのニーズが合えば、このような約束を取り交わしてしまう人も現れてしまうのでしょう。

詳細は、後述しますが結論だけお伝えすると、このような愛人契約は、無効な契約であると考えられています。

 

・パパ活とは

最近では「パパ活」といったワードで、愛人契約と似たような契約がされることがあります。

パパ活とは、建前上は食事やデートを行い、男性は癒しを求め、女性は対価として金銭を得るといった関係(活動)のことをいいます。

パパ活は、愛人契約と比べてやわらかい名称であるため、ゆるいイメージの関係性を隠れ蓑にして、結局、愛人契約と似たような性行為を伴う契約を取り交わしている男女も存在しています。

実際に、パパ活に関するトラブルは多く起きていて、当事務所にも相談があります。

男性側の目的と、女性側の本音、パパ活という名称、様々な要素がオブラートに包まれていて、明確ではないため、双方の意見の不一致、勘違いが起きやすく、パパ活にはトラブルの原因が多く含まれているといえます。

 

・愛人契約は無効な契約

民法90条では、「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。」と定められていて、既婚者が若い女性と取り交わす愛人契約は、上記民法90条に違反(公序良俗違反)するため、基本的には無効であるとされています。

よって、仮に愛人契約を取り交わした後に、性行為を行い、その後、男性が約束した金銭を支払わないというトラブルが発生したとします。

女性側が、「愛人契約」に基づき約束した金銭の支払いを請求したとしても、根拠となる元の愛人契約自体がそもそも無効な契約であるため、

女性側の金銭要求は無効な契約に基づく請求となり、認められないことがあります。

公序良俗違反は、愛人契約だけではなく、売春・児童ポルノ・薬物の売買といった不法な契約にも適用され、これらも無効な契約とされています。

パパ活については、たとえ食事のみの関係であっても、男性側が女性との性行為を目的として女性に対して金銭を支払っていた場合、愛人契約と同様、公序良俗に反し無効な契約となる可能性が高いため、女性は金銭の支払いを要求することが困難となります。

 

愛人に支払った金銭を返してほしい

男性側が金銭等を支払ったにもかかわらず、約束したはずの性行為を行うことができなかった場合や、愛人関係を続けることができなかった場合に、女性に対して、支払った金銭等の返還を求めることはできるのでしょうか。

愛人に対して、多額の飲食代やプレゼントを貢いだにもかかわらず、愛人から期待していた行為をしてもらえなかったと、これまで費やした時間と金銭を返してほしいという主張が果たして通用するのか?

 

・不法原因給付の返還請求は認めらない

男性側の金銭の支払は、女性との愛人契約の維持、性行為を行うことを目的としたものであり、愛人契約自体も上記のとおり無効な契約となります。

公序良俗に反する目的で給付した金銭やプレゼントは、「不法原因給付」として、相手に対して返還請求をすることはできません(民法708条)。

愛人契約以外では、例えば殺し屋に支払った殺人の依頼金を、失敗したからといって返還を請求することが法的には認められないことと同じことになります。

飲食代や金銭の譲渡の目的が、上記のとおり愛人関係の維持、性行為(不貞行為)を目的としたものであった場合には、支払った金銭の返還は認められない可能性が高いことになります。

これはお金を譲渡ではなく、愛人関係の維持・性行為(不貞行為)という不法な原因を目的として、金銭を貸した場合も基本的に同じ結論となります。

 

・譲渡の目的が不法原因(愛人契約の維持)ではなかった場合

それでは、金銭支払いの目的が愛人契約の維持ではなく、プレゼントした当時は、相手に対する愛情や、真摯な気持ちから、純粋なプレゼントであったが、後日、やはり気が変わって返してほしいと考えが変わった場合に、プレゼントした物の返還は認められるでしょうか?

通常のプレゼントの場合は、書面によらない贈与という扱いがされますので、履行前(実際にプレゼントを渡す前)には取り消すことができます。

ただし、すでに履行が完了(プレゼントを渡した)しているものは取り消すことができません。(民法550条)

プレゼントを渡した後に、やっぱり気が変わったとして、相手に返還を求めることは基本的にできないということが言えます。

 

合意書を取り交わして解決する

愛人契約や、パパ活などでトラブルが生じ、相手と解決に向けた合意に至ることが出来た場合には、合意書を作成することをお勧めします。

男女関係の解消に際して、場合によっては、手切れ金等の金銭が支払われることもあるでしょう。

手切れ金の支払義務や、今後は関係を解消すること、これまでの関係を口外するなどの迷惑行為を行わないこと等の約束は、口約束で済ますことなく、合意書を取り交わして、違反があった場合のペナルティを定めておくことで、相手に合意事項を守ることを促すことになります。

ペナルティは、通常金銭の支払い(違約金)を設定することになります。この違約金を支払う義務を明確にすることができるという点が、合意書を取り交わす一番のメリットであると言えます。

 

まとめ

上記のとおり、愛人契約やパパ活に関する契約は、公序良俗に反し、無効な契約であるため、

これらの契約に関して、当事者の間にトラブルが発生した場合であっても、法律や契約に基づいて、トラブルを解決することは困難になります。

約束どおり金銭を支払ってほしい、約束どおり愛人契約を維持してほしいと相手に主張しても、そのような請求は認められません。

よって、そのような微妙な男女関係では、金銭のもつれから重大なトラブル・争いが生じることが多いのです。

女性が先払いで金銭を受け取っているケースが多いようですが、約束を反故にされても文句が言えないことを知って、先払いにしているのでしょうか…。

いずれにしても、お勧めすることができない関係性であることは間違いないでしょう。

 

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