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相手の配偶者に不倫が発覚し、相手の妻から「謝罪文を要求される」という状況は、わりとよくあるケースだと思います。
しかし、相手に対して謝罪する意思があったとしても、謝罪文を作成して提出することについては、慎重になるべきで、安易に行うものではありません。
相手の言い分を全面的に認め、一切争うつもりがないという場合には、謝罪文を提出しても良いかもしれません。
しかし、謝罪文で認めた事実を、後から否定することはできなくなります。
謝罪文に事実と異なることを書いていないか、よく確認してください。
謝罪文を提出するということは、相手に対して、不貞行為の証拠を自ら提供することと同じ意味合いがあります。
謝罪文の提出は、「相手に証拠を提供することにもなる」ということを理解した上で、
それでも、こちらの誠意を伝えたい、被害者と争うつもりがないという場合には、謝罪文を提出することになります。
簡単な謝罪文の一例を紹介しますので、テンプレートをベースにして、ご自身でアレンジして利用ください。
例えば、慰謝料を支払う旨の一文は削除して、もう少し謝罪・反省・後悔している気持ちを追記するなど、状況に合わせて修正しましょう。
謝 罪 文
△△△△ 様
この度は、私の身勝手な行為により、貴女(又は貴殿)に多大なるご迷惑をお掛けしたことを深く反省のうえ、心からお詫び申し上げます。
私は○○○○年○月頃から○○○○年○月頃までの間、貴女(又は貴殿)の夫(又は妻)◇◇◇◇氏と不貞行為を行い、貴女(又は貴殿)に対し精神的苦痛を与えた事実を認めます。
私がこれまでに行ってきた行為は、謝罪して許されるものではないと理解しておりますが、誠意をもって対応していく所存です。私の行為により貴女(又は貴殿)に与えてしまった精神的苦痛の賠償として、慰謝料をお支払いさせて頂きたいと考えております。
自らの行為を深く反省し、今はとても後悔しています。この度は、本当に申し訳ございませんでした。
年 月 日
氏 名 印
もし、被害者が不貞行為の証拠を、何ももっていない場合には、「加害者に対して謝罪文の提出を求め、受取った謝罪文を証拠にする」ということがあり得ます。
被害者が、受取った謝罪文に基づき不貞行為の慰謝料を請求するということも絶対にないとは言い切れません。
謝罪文を提出すれば本当に許してもらえるのか?
被害者に慰謝料請求の意志があるのかないのかを、謝罪文を提出する前に、見極める(聞き取る)必要があります。
もし、謝罪文を提出すれば、許す、慰謝料の請求しない、もしくは提示済みの金額以上は請求しないと、約束できているのであれば謝罪文の提出も考えられます。
しかし、その場合は、謝罪文と併せて、相手と約束した内容について示談書(和解合意書)を交わすべきです。
そうでないと、謝罪文を提出した後に「やっぱり許せないので、慰謝料を請求する」と言われたときに、こちらは反論できなくなってしまいます。
もし、相手配偶者から「とりあえず謝罪文を提出してほしい」と言われているのであれば、慎重に考えなければなりません。
ただ、謝罪文の提出を単純に拒否してしまうと、被害者からすぐに慰謝料請求されるという事態になるおそれもあります。
そのため、こちらは誠意をもって謝罪の意思を示しつつ、相手へ示談書(和解合意書)の取り交しを求めていくことになります。
本来であればこの形で和解・示談を目指す
謝罪文を提出するだけでは、まだ何の解決にも至っていないと言えます。
被害者はいつでも不貞行為の加害者に対して、慰謝料を請求することができます。
本来は、被害者側から「これ以上責任追及しない」という約束を取り付けることが必要です。
被害者からの慰謝料請求その他の要求を断ち切り、今回の一件について解決とするためには、
なんとかして被害者と示談(和解)を成立させる必要があります。
被害者と示談できたときには、示談書(和解合意書)を取り交わして、示談・和解成立を文書で確認することになります。
示談書については、別ページ→「不倫・浮気の示談書」でくわしく説明しています。
自らの過ちを認め、被害者へ真摯に謝罪することが慰謝料の減額理由とされることもあります。
反対に、被害者に対していつまでも不倫を認めず謝罪しないことが、被害者の精神的苦痛を増大させたとして、慰謝料の増額理由になることもあります。
謝罪の有無が慰謝料に与える影響については、別ページ→「不倫した人が謝罪しない場合」でくわしく説明しています。
被害者は、不倫相手に対して謝罪文をどのように要求すれば良いか?
「謝罪してほしい、謝罪文を提出してほしい」と不倫相手に伝えて、
相手が素直に謝罪すれば良いのですが、中には、自らの不貞行為を認めない相手もいると思います。
自らの行為を棚に上げてこちらの夫婦の不仲を指摘し、「配偶者が不倫をするのはあなたのせい」などと、にわかには信じがたい発言をする相手もいるようです。
それでも、残念ですが素直に謝罪しない不倫相手に対して、無理やり謝罪を強要することはできません。
不貞行為の責任は、金銭賠償(慰謝料支払い)をもって償(つぐな)うとされているので、不倫相手には、慰謝料の支払いで責任を取ってもらうことになります。
法律上認められている、慰謝料請求権をもって、相手と渡り合うことになります。
不倫相手が誠意ある態度を示さないのであれば、こちらは粛々と慰謝料請求の準備をすることになります。
慰謝料請求の準備を進めながら、不倫相手に対して、素直に不貞行為を認めて謝罪できるのか、どのように責任をとってもらえるのか相手の反応を確認します。
不倫相手にも何らかの言い分があるかもしれません。
既婚者であることを知らなかった、夫(または妻)に騙され続けていた、夫(または妻)から無理やり不貞関係を迫られていたといったようなことが考えられます。
もしかすると不倫相手への慰謝料請求を妨げる何らかの事情があるかもしれません。
不倫の事実を知った後、相手に対して冷静さを欠いた対応をするのではなく、不倫相手の言い分もある程度は聞き取る必要があります。
不倫相手の言い分を聞き取ったうえで、自分の夫や妻へそれが本当に真実であるのか確認して、今後の対応を検討しなければなりません。
不倫した配偶者の自白など、こちらが有力な確証を持っていれば、不倫相手から謝罪を引き出せる可能性も高くなります。
こちらに有力な証拠がないことを知られてしまうと、
「想像しているような関係ではありません」などと、不倫(不貞行為)の事実を否定されてしまう、隠されてしまうかもしれません。
また、不倫相手と会うときや、電話で話すときには、あらかじめ録音の準備をしておくと良いでしょう。
さらに直接会うのであれば、書面を準備して、相手が不倫の事実を認めた証拠を残せるようにしておきます。
不倫相手との話し合いについては、別のページ→「不倫相手との話し合いで確認すること」でくわしく説明しています。
実際の事例では、、
相手と本人同士で直接やり取りすることができれば、それがスムーズに解決できる一番の近道であるといえます。
不倫相手の謝罪の有無は、慰謝料の金額に影響を与えると考えられています。
裁判の判例でも、慰謝料金額を算定する理由の中で、不倫相手の謝罪の有無に言及しているものがあります。
不倫相手が真摯に謝罪の意思を表明していることや、反対に、まったく反省せず謝罪もしないといった事実が、裁判所の判断においても考慮され、慰謝料の金額にも多少の影響を与えます。
不倫当事者の被害者への言動・態度によって被害者の精神的苦痛に大きな違いが生じますので、慰謝料の金額にも影響を与えることは、ある意味当然といえるでしょう。
謝罪しないという事実も、慰謝料の算定に考慮されることがあります。
自らの行為を認めず、被害者に謝罪もしないような相手の態度は、被害者の気持ちを重ねて深く傷つけることになります。
不誠実な態度は、慰謝料増額の方向性に考慮される可能性があると考えることが自然であるといえます。
謝罪に関する判例については、別ページ→「不倫の謝罪と慰謝料の金額」でくわしく紹介しています。
不倫相手に対する、怒り・憎しみの感情から、相手に対して無理な要求や請求をしてしまうことがあるので、注意してください。
例えば、こちらから相手に土下座を強要する、頭を丸めさせるといった、世間の一般的な感覚から外れた、行き過ぎた要求をすることはできません。
また、こちらは被害者であるからと相手に対して、必要以上に無理な要求をすると、強要や脅迫といった犯罪行為に該当してしまう場合もありますので、
不倫相手と話し合うときには、冷静さを欠かないように常に意識する必要があります。
相手に対して、論理的に請求をして、解決を図っていく必要があります。
口頭で話し合うことが難しい場合には、メール・LINE・書面通知などにより、不倫相手に請求・要求する方法がお勧めです。
書面を郵送して、こちらの主張を伝える方法は、以下のページをご覧ください。
不倫や浮気に関する書面の作成は、自分たちでできるとお考えかもしれません。ただ、法的効果のある書面を作成するためには、一定の法律上の知識が必要になります。当事務所では弁護士等の意見も踏まえながら、これでに数千件の浮気に関する書面を作成した実績とノウハウを有しています。法的にも有利な証拠として利用可能な、かつ浮気防止に効果的な書面を作成することができます。
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